水の力で堤防えぐられ…拡張工事検討も 秋山川[2019/10/14 17:53]

 台風19号による影響で各地で甚大な被害が出ています。国土交通省によりますと、川の堤防が決壊したのは全国7県に上ります。栃木県の秋山川や長野県の千曲川など20河川29カ所で堤防が決壊しました。また、堤防から川の水があふれる「越水」も全国で少なくとも100以上の河川で起きたことが分かっています。秋山川の堤防が決壊した栃木県佐野市から報告です。

 (菅原知弘アナウンサー報告)
 14日午後から投光器がたかれています。秋山川の右岸の堤防が決壊しましたが、急ピッチで作業を進めたこともあり、盛土によって欠けていた部分がだいぶ埋まってきました。ただ、大量の泥水が住宅街を襲い、14日は家族総出で泥水をかき出す作業をする姿が見られました。住民の皆さんが口々に話していたのが「まさか秋山川が氾濫するとは」という言葉です。
 なぜ、決壊が起きてしまったのか。それだけ想定外の雨が降ったこともあります。決壊が起きた場所はカーブの外側になっていて、背丈の高い樹木が生えています。川底にも大量の水草が生えていて、この辺りは水の流れが滞りやすい場所だといえると思います。さらに、専門の人によりますと、「越水破堤」という現象が起きていた可能性があるということです。越水破堤とは堤防を越えた川の水が堤防の外側を削っていき、やがて破壊してしまうという現象です。こうした現象が堤防で起きた可能性があるということです。実際に堤防沿いを歩いてみると、くぼみが2、3カ所あって秋山川のなかでは比較的、決壊しやすいリスクの高い場所だった可能性があります。専門家の人もいつどこで想定外な雨が降るか分からないなかで、なるべくリスクが高い場所を見つけて、そういった所から対策を進めていくべきだと話していました。

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