児童を救うベテラン里親 その意外な取り組みとは[2019/10/19 11:18]

 児童虐待の相談件数が過去最多となっています。複雑な事情を抱える子どもたちをどう育んでいくのか。長年、里親を務めている女性が意外な取り組みを行っていました。

 走り回ったり泣いたり、日々、成長してゆく子どもたち。ところが、この成長を妨げる問題が増えています。児童虐待の相談件数は過去最多の15万9850件。子どもが死亡するケースなど、親からの虐待は増加の一途をたどっています。
 そうしたなか、新たな役割に挑戦する女性がいました。吉成麻子さん(52)、千葉県で15年前から保護された子どもを預かる里親を始めました。親と生活ができない保護された子どもたちは、施設などに預けられて生活します。国内では約4万6000人がいて、そのなかで約2割を担うのが親権を持たずに育てる里親です。子どもの連れ去りなどトラブルにもつながるため、本当の母親と里親は原則、会うことを禁止されています。しかし、吉成さんは。子どもの活躍を喜び合う2人。先月に開かれた保護された子どもの運動会です。そこには原則的に会えないはずの本当の母親と里親の吉成さんの姿が。再婚相手との子どもと一緒に来た母親は。
 母親:「すごく感動しました。すごく大きくなったっていうのを実感しました」
 里親として吉成さんが取り組む子どもたちを救う新しい挑戦とは。千葉県で里親として新たな挑戦をしているという吉成さん。現在、預かっている子どもは親の子育て放棄など、様々な事情を抱えた6人です。里親によって育てられている子どもは全国で約7000人いるといいます。そうしたなかで吉成さんが挑戦するのは子どもたちを親元に帰した後、再び保護を繰り返させないための取り組みです。里親が子どもたちの親と交流することはトラブルも多いため、原則、禁止している児童相談所が多いといいます。しかし、吉成さんはわざわざ許可をもらって本当の母親と向き合うといいます。
 里親・吉成麻子さん:「今回みたいに行事の時だけでも(母親に)来てもらえるっていうのは、本人にとってもすごくプラスだと思います」
 2人で向かったのは子どもの運動会です。親子の久しぶりの再会。恥ずかしながらも喜ぶ男の子。月に一度、里親として本当の母親との交流を深めているといいます。
 母親:「本当に5年とか(息子と)離れちゃうと、すねちゃったりするのかなと思うが、素直な子に育ってくれたので、それは吉成さんのおかげだなと思います」「(Q.息子と一緒に暮らしたい?)それはずっとあります。(息子に)早く帰ってきてほしいとは思いますけど、(息子が)受け入れなきゃいけないこととかたくさんあるので」
 直接、触れ合うことで援助の足りない母親が助けを求めやすくして、子どもが再び里親のもとに戻ってくることがないようにするのが目的だといいます。
 里親・吉成麻子さん:「里親と実の親がいつまでも仲良くって言うと言葉に語弊はあるんですけど、関わりがあるということが(子どもの)安心につながると思うので。大体、実の親はご自身の実家、上の世代からお世話してもらえなかったりというケースも多いので、実の親の実家の代わりになるっていう。うちを通じて色んな他の人たちとの関わりを保てたら、実の親にとっても子育てしやすくなるのでは」