“記述式問題”国語と数学も見送り…なぜ?記者解説[2019/12/17 18:27]

 大学入学共通テストに導入される予定だった国語と数学の記述式問題について、萩生田文部科学大臣が導入見送りを発表しました。入試の採点で公平性が担保できないという指摘はずっと前からありました。なのに、どうしてここまできてしまったのか。途中で立ち止まれなかったのか。どうしてこういうことになってしまったのでしょうか。文部科学省前から報告です。

 (社会部・青木駿記者報告)
 またしても文部科学省のずさんさが露呈する形となりました。まさにこれは大失態です。ある文科省幹部は「国会審議で野党に責められ、世論が採点ミスは1件も許されない雰囲気になってしまった。ゼロにする方法を考えてきたが、我々もその道の専門家ではなく、最後は何が有効策か分からなくなっていた」と話していました。
 元々、文科省や大学入試センターのなかでは「正直、採点ミスをなくすのは無理」という声もあり、試験そのものに無理があったにもかかわらず、答えのないゴールに向かって時間を費やしてきたと言わざるを得ません。そして、一つ、今回の萩生田大臣の発言には注目すべき点がありました。英語の民間試験の時は「延期」という言葉を使いましたが、今回は「見送り」という言葉を強調しています。萩生田大臣は50万人規模の試験で記述式問題を扱うということが不可能に近いということを示した形です。
 大人たちの描いた理想に振り回されてしまった高校生たちがいることを今回、忘れてはいけません。そして、この制度はいったん白紙に戻ります。今後、それぞれの大学の試験で記述式問題を扱うかどうかについて検討していくことになりそうです。

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