被災地の復旧進まず…シートの屋根の下で年越しも[2019/12/29 18:31]

 台風の被災地では、多くの人たちがブルーシートの屋根の下で年を越すことになります。千葉県鋸南町から報告です。

 (秋本大輔記者報告)
 町ではブルーシートが覆われたままの住宅がまだ数多く残っています。そして、反対側ではほとんどの住宅が空き家になってるということです。鋸南町では人が減り続けています。台風15号以降、少なくとも88人が町を出ました。多くの人がここ3カ月余りで町を出て引っ越していったということになります。台風による停電は解消されましたが、人が減って段々と町からは明かりが消えていっています。町を出る大きな理由が建て替えにかかるお金の問題です。地元の工務店には家を建て替えたいという相談がたくさん来ているそうです。しかし、年金暮らしなどでお金が足りない人が多くいます。仕方なく町を出て遠くに住む家族のもとに身を寄せる人たちが多くいるということです。自治体も懸命に被災者を支援してきましたが、人手が足りていません。千葉県によりますと、鋸南町のように職員が少ない自治体では全体でどれぐらいの解体費用がかかるのか、今も見積もりも出せていない状況だといいます。被害があまりにも大きすぎたためです。また、ブルーシートもすぐに傷んでしまうため、これまでに何度も張り替えているといいます。人がいなくなっていくなかで、残る人たちは「今後、どうなるのか」と不安を抱えています。ブルーシートの屋根の下で多くの人が新年を迎えます。

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