東電賠償3分の1に減額 原発避難訴訟 東京高裁[2020/03/17 16:57]

 福島第一原発の事故で避難した住民が東京電力に損害賠償を求めた裁判で、東京高裁は一審が命じた約11億円の賠償額を減額し、約3億5000万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

 福島県南相馬市小高区の住民ら321人は、東京電力に総額約110億円の損害賠償を求めて提訴しました。一審の東京地裁はおととし、東電に対して1人あたり330万円、総額で約11億円の支払いを命じる判決を言い渡していました。今月17日の控訴審の判決で、東京高裁は「避難指示が解除された現時点でも小高の生活基盤は回復されておらず、回復可能かどうかも不確定」と指摘し、東電の賠償責任を一部、認めました。一方で、住民側にこれまでに支払われた賠償なども考慮したうえ、慰謝料などは1人あたり110万円が相当だとして東電に総額約3億5000万円の支払いを命じました。判決後に会見した原告団は「被害の実態が全く反映されていない」「本当に悔しい」と述べました。

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