アビガンの早期承認に慎重姿勢 日本医師会の有識者[2020/05/20 21:18]

 新型コロナウイルスの治療薬として研究が進む「アビガン」について、日本医師会の有識者会議は「有効性の判断が示されない間に期待が大きくなりすぎるのはよくない」と懸念を示しました。

 新型インフルエンザの治療薬「アビガン」は新型コロナウイルスの軽症者向けの薬として、臨床現場での研究が進められています。厚生労働省によりますと、これまでに約3000人の患者に投与されて症状が改善したケースもみられたということですが、薬の効果があったかどうかなど研究の最終的な結果はまだ出ていません。安倍総理大臣は記者会見などで「有効性、安全性が確認されれば、今月中の承認を目指す」と発言していて、厚労省も薬事承認の申請時に治験データの提出を不要とするなど、早期承認に向けた指針を打ち出しています。こうした動きに対し、日本医師会の有識者会議は20日の会見で「科学的根拠に基づいて有効で安全だと結果が出るまで真摯に待つ必要がある」と慎重な見方を強調しました。研究を進める藤田医科大学は厚労省に中間結果を報告していますが、現時点で有効性について判断しておらず、有識者会議のメンバーの1人はANNの取材に対して「有効とも無効とも結果が出ていないのに今月中の承認はできないだろう」と話しました。

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