六ケ所村の再処理工場“合格” 専門家から「異論」[2020/07/29 12:14]

 原子力規制委員会は青森県六ケ所村にある使用済み核燃料の再処理工場が新規制基準に適合しているとして審査書を正式決定しました。

 本格稼働に向けた大きな節目となりますが、詳細な工事計画の審査にはさらに1年以上かかるとみられ、完全な合格はまだ先です。国はこの工場で使用済みの燃料からプルトニウムなどを取り出して再利用する計画です。これに対して、核物質の平和利用などを提言する国の原子力委員会の元メンバーからは政策を見直すべきとの声が相次いでいます。
 元原子力委員会委員長代理・鈴木達治郎氏:「すでに日本はプルトニウムを46トン持っているので、まずこれから最初に使うべき。今、再処理をしてしまいますと、プルトニウム在庫量は恐らく増えます。これは国際約束違反です。(再処理した)モックスの使用済み燃料は毒性が強くて冷却時間がかかりますから、(再処理することは)かえって良くない」
 鈴木氏のほか、同じく原子力委員会で委員長代理を務めた田中俊一氏も政策に批判的な立場を表明しています。

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