尾身氏「全国的に大体ピークに達した」[2020/08/20 23:27]

 政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は、国内の流行状況について「全国的に見ると大体ピークに達した」という見解を示しました。

 尾身さんは20日、日本感染症学会のシンポジウムで講演し、全国の流行状況について「大体ピークに達したというのが私たちの読み」と話しました。政府に対しては「医療機関や保健所の過剰な負荷が重要な課題」として、逼迫(ひっぱく)を迅速に解消することやクラスターが起きた業種の差別をなくしてそうした業種と一緒に感染症の対策を考えるべきだとしました。東北大学の押谷仁教授は感染の経路について「8割の感染者は他の人にうつしていないが、ウイルスの量が多かった。2割の感染者が多くの人に感染させていて、1人が20人にうつした例もあった」と分析しました。感染させた人のうち4割以上は発症する前に他の人にうつしているということです。このほか、国内の感染の傾向については「接待を伴う飲食店を介した大きなクラスターが家庭内や他のクラスターに連鎖し、最終的に病院や高齢者施設でクラスターとなることが多い」とし、「私たちは高齢者を中心に継続して死亡者が出ている事実を重く受け止めなければならない」と指摘しました。国立感染症研究所の松山州徳さんも講演し、海外で臨床試験が進んでいるワクチンについて「現時点では、一生の免疫を得られるものはないほか、どれも副作用の懸念がありあまり期待できない」と評価しました。日本をはじめ、アジアで死亡者の数が少ない理由については「結核を予防するBCGワクチンを接種している人が多い国では重症者が少ないという考察があるが、はっきりとした理由は分かっていない」と話しました。

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