ノーカット「台風10号」気象庁会見 6日午前9時半[2020/09/06 10:18]

 気象庁が6日午前9時半から台風10号に関する会見を開きました。ノーカットでお伝えします。

 気象庁 予報部予報課 中本能久課長

 台風が接近する地域では記録的な大雨・暴風・高波・高潮に最大級の警戒をして頂きますよう、よろしくお願い致します。午前6時の段階で、解析では中心気圧は925ヘクトパスカル、最大風速は50メートルと解析しております。その後、北北西あるいは北の方に進みまして、本日午後6時には非常に強い勢力で中心気圧は935ヘクトパスカル、最大風速は45メートル、最大瞬間風速は65メートルと予想しております。それに伴いまして、5日午前中に鹿児島県に台風要因に関する特別警報の発表について、可能性に言及しておりましたが、現状では台風要因に関する特別警報の可能性は低くなっております。しかしながら、予想しました最大風速・最大瞬間風速あるいは雨量について、大きな変化はございません。ですから、この情報を安心要因とは取らず最大級の警戒を引き続き行って頂きたいと思っております。特別警報の可否、出るか出ないかにかかわらず、最大風速は45メートル、最大瞬間風速が65メートルということになっておりますので、昨年度来襲しました台風と比べても非常に強い勢力を持っているということもございますので、警戒については怠らないようにお願いしたいと思っております。
 それでは、気象概況の方から説明をさせて頂きたいと思います。大型で非常に強い台風10号は大東島周辺を通過し、午前8時現在は奄美大島の南東海上にあり、北に進んでいます。勢力を維持して北上を続け、6日中に奄美地方、6日夜には九州南部にかなり接近します。7日にかけても非常に強い勢力を維持して九州にかなり接近、または上陸する恐れがあります。
 暴風高波についてです。台風が接近する地域では、記録的な暴風または高波になる恐れがあります。沖縄地方、奄美地方では猛烈な風が吹き、猛烈なしけとなってます。今後、猛烈な風は沖縄地方では6日朝まで、奄美地方では6日夜遅くにかけて、九州南部では昼すぎから7日明け方にかけて、九州北部では6日夜遅くから7日昼前にかけて吹く恐れがあります。また、沖縄地方では昼すぎにかけて、奄美地方では7日未明にかけて、九州南部で6日朝、本日朝から7日明け方にかけて、九州北部地方と四国地方では6日夜から7日午前中にかけ、うねりを伴った猛烈なしけとなる見込みです。近畿地方と東海地方でも大しけとなります。
 高潮についてです。台風が接近する地域で記録的な高潮となり、海岸や河口付近では大規模な浸水の恐れがあります。奄美地方では本日6日、九州南部や九州北部地方、あと四国地方では6日から7日にかけて、中国地方では7日から8日にかけて、潮位が高くなる見込みとなっております。
 大雨についてです。台風が接近する地域では猛烈な雨を伴い記録的な大雨となり、土砂災害が多発し、大河川でも氾濫する恐れがあります。台風から離れていても、西日本から東日本の太平洋側では、東向きまたは南向きの斜面を中心に大雨となる恐れがあります。
 台風が接近する地域では記録的な大雨・暴風・高波・高潮に最大級に警戒をして頂きますよう、よろしくお願い致します。台風から離れた地域でも、竜巻などの激しい突風に注意をして下さい。気象庁の発表する最新の台風情報に留意するとともに、今後、各地域の気象台が発表する早期注意情報や警報注意報の気象情報に留意して頂きますよう、よろしくお願い致します。

 (Q.特別警報(の可能性が)低くなったとのことだが、去年の房総半島の台風や台風21号のような被害の恐れは?)
 そうですね、あの今回、何が変化したかといいますと、中心気圧の予想です。あくまでも予想です。現状では930ヘクトパスカルが台風要因の基準となっておりますが、今回、935ヘクトパスカルということでございますけれども各要素、最大風速、最大瞬間風速など変わっておりません。ですから中心気圧を見てみますと、強い勢力のままで、非常に強い勢力のままでございます。ですから、昨年度あのご質問のあった台風より非常に強い勢力を保ったまま北上していきますので、風も強いと思っておりますし、場所によっては高潮についても非常に大きな被害が想定されると考えております。
 (Q.大規模な浸水の恐れということだが、どういった被害を想定している?)
 高潮の場合には波の場合は周期をもって上がってきますけども、水位が非常に上がります。台風の風によって吸い上げられたり、あとは台風の風によって吹き寄せられてです。特に湾の奥とかですね、そういったところは非常に潮位が高くなるところがございます。高潮の場合には一度、防潮堤を超えてしまう、堤防を超えてしまうと、どんどんどんどん水が流れていきますので、そうすると浸水被害が大きく発生します。そのあたりに注意して頂きたいと思いますので、よろしくお願い致します。
 (Q.特別警報のタイミング最後の避難のチャンスと説明されていた。これが出なくなったことで、まだ対策していない方などはどのタイミングが最後のチャンス?)
 非常に難しい質問でございまして、地域地域ごとに異なってくると思っています。それはですね、今ここに赤い円を示しております、暴風警戒域というのがございます。やはり暴風が吹き始めますと、外への移動は非常に困難になりますので、危険になります。ですから、早い段階で暴風警報とか気象庁の発表する注意報・警報あるいは自治体の避難情報、避難勧告ですね、注意をして頂いて、いつまでというわけではなく早め早めに行動をして頂きたいというのが一番ですので、よろしくお願い致したいと思います。
 (Q.特別警報の発生が低くなったというのは決して安全情報ではなくて、今後も最大級警戒が必要だというそのあたりもう一度お願いします)
 やはりこの台風による最大風速、最大瞬間風速、雨量の予想についてはほぼ変わっておりません。ですから災害をもたらす要因としては風、雨それか、主なところではそうなってきます。あと高潮・高波についてもですが、その予想については変わっていませんので要素としては何ら変わっていません。ですから皆さんには最大限の警戒を引き続きお願いしたいと思います。
 (Q.改めて特別警報はどういう意義を生み出してる警報であって、今回、可能性が低くなったとしても安心の要素ではないという、特別警報の意義とは?)
 特別警報といいますと、特別警報の要因が暴風・高潮・高波になっております。これまで我々が経験した観測のなかで、伊勢湾台風というものを挙げておりますが、それほどひどいものが来るということで、匹敵するようなものに対して台風要因に関して、ある種分かりやすくというか被害の程度でやっていました。ですが、台風要因の特別警報に関しましては陸地を通るというそういう条件もございます。今回は935ヘクトパスカルになったことが一番大きな要因でこの可能性が低くなっております。ただし一つ、935ヘクトパスカルで低くなったとはいえ、現状で観測地でそういう値が出れば特別警報は発表されることになります。元々、要素として暴風・高潮・高波この3つがございます。この3つに関しては想定される時から何ら変わっておりませんので、その要因に関しては十分に注意して頂きたいと考えております。
 (Q.今回、特別警報の発表がなくなる安心に取られてしまうっていう恐れはある程度、共有はなされてるとは思いますが、何か特別警報の発表の仕方を見直す要因はなにかありますか?)
 元々、現状では最大級の警報をうたっておりまして、今の段階ではそういうことは考えておりません。ただ暴風・高潮・高波ついてはこの前より警戒を呼び掛けておりまして、最大級の警戒についてやはり引き続き行って頂きたい。それは出る出ないにかかわらずやって頂きたいと思っておりますので、最大級の警戒を引き続き行って頂きたいと思いますので引き続きよろしくお願い致します。
 (Q.コース進路の変化等で最大級警戒雨量予測量的予測などが変化していないっていうことのご説明はできますでしょうか?)
 この勢力を保っておりますので、九州の西岸を通って参ります。これは非常に強い勢力です。ですから、大きくは量には変わっていませんし、警戒することについても何ら変化はありません。重ねて言わせてもらいますが、最大級の警戒を引き続き行って頂きたいと思っておりますのでよろしくお願い致します。
 (Q.台風要因の特別警報は今のところ可能性として低いということですが、記録的な大雨によるそれらの警報については?)
 可能性は低くはないと思っております。どこまでといわれるとなかなか難しいところでございますので、記録的大雨になるということはこちらとしても予測はしておりますので、これからの雨の推移について見守っていきたいと思っております。ですから、特別警報に至らなくても雨量としては非常に多くなりますので十分な最大級の警戒をして頂きたいと考えております。
 (Q.雨量に関してなのですが、昨日までの発表では東海地方に非常に大きな雨が来る予測だったと思いますが、きょう頂いた資料では若干低くなっているようにも見えます。大雨特別警報が出る可能性としては九州ではなく、むしろ東海地方などの今の段階で言えることがあれば教えて下さい)
 特別警報っていうのは非常にこの多いところで、東海地方についてというと、局所的なところを考えていますが、それについてどこまでというのは今ちょっと言及するのは非常に困難でございます。ただ、まとまった雨が降るということで全体的に最大級の警戒をして頂いてということについては変わりはありませんのでよろしくお願いしたいと思います。
 (Q.上陸についてと高潮の被害という面では警戒が増すようなことになるんでしょうか?)
 予報円自体はすべて同一の確立ですので、中心位置を考えず、予報円で考えていただきたいと思います。ですから今の段階では、上陸または接近するという表現にさせて頂いております。中心地で見がちなんですが、予報円で見て頂いたと考えております。確かにその西岸を通るということで位置によって、高潮に関しては大きく変わることがございますが、今のところ西海岸、海沿いを通るというふうに考えておりますので、最大級の警戒をして頂きたいと考えております。
 (Q.5日に内閣府から都道府知事に、台風についてリスクが高まった段階で早めの避難を呼び掛けるよう通達が出ている。各地域の気象台が背中押すような連携の強化は?)
 必要に応じてでございます。自治体に対する支援は気象庁が続けておりますので、それについては行っているということでございます。
 (Q.避難について、特別警報を待ってという方もいたかと思うが。引き続き早めの避難を求められていることについては?)
 台風要因の特別警報は、元々の警報、暴風警報、高潮警報、高波警報が出ている際に、台風の予報円が入った場合に名前が変わるいうことでございまして、暴風警報、高潮警報、高波警報の本質は変わっておりません。やはりその、どの警報による要因が自分にとって一番リスクがあるかということを考えて頂いて最大級の警戒をして頂き、早めの避難をして頂きたいと考えております。
 (Q.予報を見るとスピードは早まっているかと思う。その地域の住民への呼び掛けは?)
 台風進路は解析によって速度が遅まったり早まったりしますが、今回の台風は若干早まったとしましても、暴風警戒域がかかったりしますので、ですからこの状況では今、避難ということを考えますと、早めの避難をして頂きたいということは変わっておりません。暴風が吹いたり雨が降ったりする前に、移動しやすい段階で早めの避難をして頂きたいと考えております。ですから、若干の差異はあれ、今のところ状況については変わていないと。災害に備える構えについては変わっていないと考えています。
 (Q.高潮について、具体的にどこの湾などではどの段階で情報提供する?)
 高潮については極めて台風のコース、それから気圧等があと、干潮・満潮のタイミングですね。これによって変わってきますので、発表できる段階でお知らせできるようになれば皆さんにお知らせしていきたいと思っております。

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