エネルギー無駄にしてた?水車の復活 池上さん解説[2020/09/24 10:00]

 持続可能な社会を目指すSDGsの取り組みが日本でも広がり始めています。そこでシリーズSDGs、6日目のキーワードは「水車の復活」です。

 池上彰:「まずはこちらを見て下さい。岐阜県と福井県との県境、標高700メートルの『石徹白集落』にある水車です」
 福田成美:「風情があって良いですね」
 池上彰:「ひなびた風景に溶け込んでいますね。しかしこの水車は、単なる飾りではありません。農業用水を利用して、電気を作っているのです」
 福田成美:「これで発電できるんですか。すごいですね」
 池上彰:「まさに一石二鳥ですよね。実際に作られた電気はすぐ隣にある加工施設に送られます。ドライフルーツ作りに利用されているのです。『石徹白集落』にはこれ以外にも様々なタイプの水車があります」
 こちらの水車は、らせん型の発電機です。水の流れが緩やかな所でも発電ができ、周辺の外灯などをともすのに役立っています。
 平野彰秀さん:「上から下に水が落ちると、エネルギーがあるということ。それをこういう機械を入れることで、電気というエネルギーを取り出せる」「(Q.今まで無駄にしていた使えるエネルギーがあった?)そうですね」
 池上彰:「この水車による地域おこしを考えたのが、地元の岐阜で街づくりのNPO活動をしている平野彰秀さんです。実は、石徹白集落では今から65年前、送電線が引かれる昭和30年(1955年)までは、家で使う電気を自前の水車ですべて賄っていました。それを知った平野さんは、今の技術を使えばもっと効率的に電気が作れるはずだと、再び水車の利用を考えたのです」
 水車設置を提案・平野彰秀さん:「(水力発電は)昔やっていたことだし、人口が減っていく集落の起爆剤にしたいと」
 池上彰:「この水車発電は、全国各地のイベントで紹介され、大きな反響を呼びました。その結果、集落に大きな変化が起きたのです」

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