移住者が急増?水車復活に意外な効果 池上さん解説[2020/09/24 17:00]

 持続可能な社会を目指すSDGsの取り組みが日本でも広がり始めています。そこでシリーズSDGs、7日目のキーワードは「水車の意外な効果」です。

 池上彰:「21日にお伝えした『石徹白集落』は、65歳以上の高齢化率が50%を超えて限界集落となっていましたが、水車発電で状況が一変しました。移住者が急増したのです」
 移住者:「神奈川県の川崎市から移住しました」「私は神戸から」
 ここ10年間の移住者は17世帯50人。人口250人ほどの石徹白集落の2割にもなります。
 池上彰:「水車に惹かれて家族そろって移住する人もいます。7年前、神奈川から移住してきた廣中さんです」
 神奈川から移住、妻・詩穂さん(34):「(Q.移住してみて生活はどうですか?)子どもがのびのび過ごせる環境があるので、子育てには本当に良いところ」
 神奈川から移住・廣中健太さん(37):「朝起きてここへ来て、トマト取ったりキュウリ取ったりして」
 池上彰:「石徹白集落では子どもが増え、盆踊りでは若い人の姿が目立ち始めました。そこで、住民たちは集落の未来のためにも新たな挑戦に出ました。これまでの50倍以上の規模がある水力発電所を作ったのです。この1基だけで集落全体で使う量を上回る発電量があります。総事業費は2億4000万円でした」
 福田成美:「かなりの大金ですけど、どうやって捻出したんですか」
 池上彰:「まずは、全世帯から合わせて800万円の出資金を集め、組合を設立しました。さらに、県などからの補助金や銀行からの融資で巨額の建設費を調達したのです。ただ、採算は十分取れそうです。この水力発電で発電した電力をすべて売れば、年間2400万円にもなるからです。石徹白集落では、その収入を自主財源として、様々な事業に使っています。例えば、石徹白名物のトウモロコシの生産です。インターネットなどで全国に販売し、人気商品になっています。水力発電は、過疎の集落に活気をもたらす起爆剤となっているのです」

こちらも読まれています