ツキノワグマ「学習放獣」するも殺処分 柿園に出没[2020/11/06 21:10]

 神奈川県伊勢原市でツキノワグマ1頭が殺処分されました。このクマは去年、市内で捕獲されていて、その後、人里を怖がるように教えて山に放す「学習放獣」をされた個体でした。

 神奈川県によりますと、殺処分されたのは体長137センチ、体重109キロの雄のツキノワグマです。このクマは去年10月、伊勢原市の柿園に頻繁に出没し、一時的に捕獲されました。その後、大きな音を聞かせたりクマが嫌う成分が入ったスプレーを嗅がせたりして、人を恐れるように学習させて山に戻されました。しかし、今年9月ごろから、このクマが同じ柿園の周辺に出没していることが確認され、人的被害を未然に防ぐ目的で今月6日に捕獲され、殺処分されました。このクマは今後、県立生命の星・地球博物館に運ばれ、生態の研究に活用されます。神奈川県では、野生動物の保護の観点から2006年以降、捕獲したクマを人里を怖がるように学習させて山に戻す学習放獣が行われています。県によりますと、2006年以降、学習放獣したのは28件でこのうち3件は再び捕獲したものの、その時の判断で山に戻しています。学習放獣したクマを再び捕獲して殺処分したのは神奈川県では初めてです。

画像提供:神奈川県

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