Google感染予測を“覆せ”「未来は変えられる」[2020/11/22 22:30]

コロナ感染が急拡大する中、大きな話題となった「Google感染予測」ですが、日本版の監修を務めた宮田裕章教授(慶応大)は「この予測は変えられる」といいます。一体どういうことなのでしょうか、宮田教授ご本人に聞きます。

▽慶応大医学部 宮田裕章教授
Q:予測された数字に驚いた方も多いと思います。どういった予測なのでしょうか?
宮田「これまでのモデルは“感染実態の把握”に主眼が置かれたものが多かったのですが、今までのデータを使って『未来を予測して備える』それが特徴です。」

Q:どのようなデータが元になっているのでしょうか。
宮田「Googleが持っている、1プライバシーに配慮して集めた人の移動データ 2厚労省が公開している陽性者数などデータ 3国勢調査で人口密度などを元に、地域特性を考慮して分析しています。」

▽宮田教授による見方の解説(実際の画面を見ながら)

Q:どういった方に見てもらうためのものでしょうか。
宮田「ひとつは、医療関係者に見ていただきたいと思います。予測されるシナリオ、あくまで予想のひとつなのですが、必要な病床数・ICUの空き、周辺地域と連携が必要になるのかどうか、そういったことを想定しながら備えていただきたいです。」

Q:予想のまま増えていくと医療崩壊しかねない、だから今準備しようということですね。
宮田「そうです。こういった未来を想定して外出自粛要請をしたとします。今までは『2週間後に答え合わせ』だったのですが、Googleデータはリアルタイムで更新されていくため、今打った手によって未来はどれくらい変わったのか、効果を見ながら、足りなければ他のアプローチも考えていく、そんな形で行政にも使ってほしいと考えています。」

Q:個人での使い道はありますか。
宮田「ここで予測されている未来というのは可能性でしかなく、ご神託ではなくて、それが良くない予測だった時に『変える』ために提示しているものなのですね。人の移動などは計算されているのですが、例えばマスクをし手洗いをするなどして予防行動が改善していく、それは反映されていないのです。予防行動の改善やテレワークなど我々の『工夫』によって、未来は変えられると考えています。」

Q:この予測を外してほしい、ということですね。
宮田「その通りです、そういった願いを込めて、少しでも貢献できればと考えています。」

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