バナナからデニム“大気汚染を減らせ” 衝撃事実も[2020/12/02 09:14]

 バナナを食べる時は皮をむいて捨てますよね。でも、1本のバナナを食べるまでには皮の部分以外にも大量に捨てられてしまう部分があることをご存じでしょうか。生産国ではこれが焼却されることで大気汚染の原因の一つになっています。

 並木アナウンサーも愛してやまないバナナ。今回の主役は存在を忘れられがちな「茎」の部分です。バナナの茎から生まれたものとは一体…。
 こだわりのデニム製品を展開する「JAPAN BLUE JEANS」が今年7月に販売を開始した「THE BANANA DENIM」。
 開発担当者・岸本裕樹氏:「これがバナナの茎100%です。これとコットンを混ぜて糸状にしていきます」
 このバナナデニムの開発担当・岸本さん。開発のきっかけはバナナに関する衝撃的な事実を知ったことでした。
 開発担当者・岸本裕樹氏:「(タイの友人に)『バナナの木があって、年中食べられて良いね』と話をした時に、『1回、実がなっているからもう実がならないんだよ』と言われて」
 日本で1人あたり年間約8キロ消費されているバナナ。実は一度しか実がならないので、収穫が終わった茎は切り倒されてしまいます。廃棄される部分などは年間10億トンを超えると言われていて、再利用が世界的に検討されています。
 開発担当者・岸本裕樹氏:「多少は公害を減らせるかと思い、トライしてみようということになりました。バナナの消費量を多くしたかったので、最初は半々くらいまで入れたんですけど、糸にできなくて」
 その糸のもととなるバナナの繊維です。この繊維とコットンの配分がとても難しく、納得のいく生地を作るためには試行錯誤の連続でした。
 開発担当者・岸本裕樹氏:「コットンとバナナを混ぜれば糸にはなるんですけど、生地を染めるとか織るとなると糸に柔らかさが必要だったり、量産までは難しいということと着心地的にザラザラしすぎるので。最終的には縦糸をコットン100%にして横糸だけバナナが入った糸を使うようにして生地を織るようにしています」
 「環境問題への貢献と着心地を両立する」。そんな強い思いからたどり着いたベストなバランスがバナナの繊維18%、コットン82%でした。この生地を職人さんが手作業で縫製し、納得のいくデニムが完成しました。
 バナナの茎の繊維を使用したことでコットン100%のデニムよりも軽量で高い通気性や吸湿性があるということです。
 開発担当者・岸本裕樹氏:「(Q.製作期間は)サンプルができるまで1年くらいかかりました」「(Q.バナナのこと嫌いにならなかった?)毎日食べていました。バナナは」

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