感染拡大で入院制限も がん患者の8人に1人に影響[2020/12/02 17:28]

 がん患者の8人に1人が新型コロナウイルスの感染拡大の影響で治療内容やスケジュールを変更していることが支援団体の調査で分かりました。

 がん患者支援団体CSRプロジェクトの桜井なおみ代表は「通常でしたら、受けられる治療が新型コロナの影響で受けられなくなる。その影響で重症化してしまう可能性があるという部分を非常に危惧している」と訴えています。

 調査は10月にがん患者約300人を対象に行われました。その結果、8人に1人にあたる12.9%が治療内容やスケジュールの変更をしていたことが分かりました。

 検査がなくなったり、手術や抗がん剤治療の延期に加え、入院する予定の病院が新型コロナ患者を受け入れたために病床やスタッフが不足し、入院できなくなった例もあるということです。

 また、変更があったと答えた患者の約半数が自己判断で変更していたことも明らかになりました。

 がん患者特有の不安として、感染すると重症化してしまうのではないかという恐れが強いといいます。がんの治療を受ける病院のほとんどは感染症の拠点病院を兼ねていることもあり、病院に通うこと自体を感染リスクとして恐れ、受診を控えて、自己判断で治療内容を変更しているということです。

 桜井さんは「とにかく自己判断をしないで頂きたい」と患者にも呼び掛けています。

 桜井さんは「治療を延期するかどうかは医師が判断するべきで、必ず医療機関に相談してほしい」と話しています。

 桜井さんらは、新型コロナの影響で治療が遅れ、重症化するがん患者が出る恐れがあるとして、命に関わる病気の患者が必要な時に必要な医療を受けられるよう政府に緊急要望書を提出するなどして対応を求めています。

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