地下鉄サリン被害者 いまだ心身の苦しみ深刻[2020/12/10 12:16]

 地下鉄サリン事件の被害者の多くが長期間にわたって身体的や精神的な症状に苦しんでいることが、広島大学の研究グループの調査で分かりました。

 1995年3月の地下鉄サリン事件では乗客や駅員ら13人が死亡し、6200人以上が重軽傷を負いました。広島大学の研究グループは、このうち747人について事件から15年が経った2009年までの状態を調査しました。その結果、6割から7割の人が「体が疲れやすい」「目がかすんで見えにくい」といった身体的な症状を感じていました。また、3割以上の人が「忘れっぽい」「怖い夢を見る」などの精神的な症状に苦しんでいることが分かりました。研究グループは、サリン被害者の多くに長期間症状が残り、改善も見られないことが初めて明らかになったとしています。そのうえで、被害者には今後も継続的なサポートが必要だと訴えています。

こちらも読まれています