「画期的な対策なんてない」いま私たちができること[2021/01/17 22:00]

新型コロナウイルス感染の急拡大が止まらず、“医療現場の危機”が連日報じられています。そんな中、いま私たちにできることは一体何なのでしょうか。最前線で治療にあたる、国立国際医療研究センターの忽那賢志医師に聞きます。


Q:感染者の急増が止まらない中、医療現場の雰囲気は。
忽那:年明けから満床が続いています。その日退院した人数と同じだけ入院するという状況で、お断りをせざるを得ないケースも出てきています。これまでにない感染者の増え方で、すでに現場のキャパシティを超えています。

Q:私たちの取材では、米ニューヨークでは医療崩壊は起こっていないということでした。保険や医療制度が日米で異なるため単純比較はできないのですが、取材した医師によるとアメリカの中規模・大病院では「救急」「一般病棟」「ICU」の3つが揃っているが、日本では少ないと。この意見、どう受け止めますか。
忽那:私もその意見には賛成というか、いわゆる「ハコ」、緊急外来やICU、一般病床も大事ですし、加えて「ヒト」、医療従事者ですね。感染対策の専門家は日本のすべての病院に配置されているわけではないので、配置されていない病院でコロナに即座に対応するのは難しいと思います。

Q:「民間病院」にさらなるコロナ対応を要請するべきでは、という議論についてはどう思いますか。
忽那:民間病院でも大規模な、施設が充実したところでは、すでにコロナを診ている医療機関もあると思います。日本では小・中規模の民間病院も多いですし、感染対策の専門家がいるとも限りません。そういった医療機関で、医療従事者の安全と質を保ちつつ診療を行うというのが、なかなか難しいと。また明日から急にコロナを診てくださいと言われても、コロナ患者の院内の導線を決めたり、ゾーニングと言ってエリアを分けたり、職員の訓練をしたり、すぐには対応できない問題がありますので。「今後に備える」という意味ではそういった議論は大事なことだと思いますが、今すぐに対応というのは難しいのではないかと思います。

Q:今何をするべきなのか。忽那先生の考えを聞かせてください。
忽那:今すぐに、現状を大きく改善させる画期的な対策はありません。今はとにかく感染者数を減らすということが一番だと思います。家族以外の人との会食は何人であろうと控える、不要不急の外出を控える、テレワークを徹底するなど、各自ができる限りのことをしなければ流行は収まりません。市民一人ひとりの痛みを伴いますが、「緊急事態宣言」を意味のあるものにするためには、一人ひとりが覚悟を決めて徹底した感染対策と自粛をすることが大事だと思います。

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