刀鍛冶の父親の技を後世に…あるYouTuberの決意[2021/01/21 13:57]

 漫画「鬼滅の刃」のなかで、主人公らが人喰い鬼を仕留める武器「日輪刀」。国内に現存する刀鍛冶(かじ)が、この日輪刀をリアルな日本刀として再現する様子をあるYouTuberが撮り続けました。

 去年1月、YouTuberのHoyKeyさんは刀鍛冶職人を続けて50年になる父親に、漫画「鬼滅の刃」に登場する日輪刀を本物の日本刀で作ってほしいとお願いしました。

 日輪刀は鬼滅の刃の主人公、竈門炭治郎たちが鬼を仕留める時に使う重要な刀です。

 YouTuber・HoyKeyさん:「僕もYouTuber辞めようと思ってたんですね。その時、もう終わるから最後の集大成として父の仕事を映しておわりにしようという気持ちで始めて。『普通の刀、作ってよ』というのがちょっと恥ずかしくて、鬼滅の刃が好きだったんで、『鬼滅の刃の刀を作ってほしい』って照れ隠してもありながらそういうお願いをしました」

 「YouTuberとしての集大成に…」。息子からのたっての願いで、刀鍛冶の父親は日輪刀のひとつ「水柱・冨岡義勇」の刀を再現した日本刀を作り始めました。

 動画の登録者は10万人を越え、人気を博す一方、国内で刀を作る現場を巡る環境は厳しくなっています。

 刀鍛冶・HoyKeyさんの父:「需要がないですよね。200人くらいいると思うんですけど、刀を作れる人が。そのなかで本当、数人は生活できてると思いますけど、あとの刀鍛冶は相当、苦しい思いをして大変な思いして刀を作ってると思います。本音を言えば継がせたかったんですけど、なかなか刀を作っていて生活は厳しいので、息子にはサラリーマンのほうがいいんじゃないかなと思ったので、継がせないでサラリーマンにさせました」

 まるで、鏡のように美しく輝く刃先。製作を始めて約1年がたった今月11日、ついに冨岡義勇の日輪刀が完成しました。

 刃文も見事に再現されています。そして、力強く刻まれているのは「悪鬼滅殺(あっきめっさつ)」の4文字です。

 YouTuber・HoyKeyさん:「多分ここで、父の代でついえてしまう技術になっちゃうと思ってましたので、それを自分の後世とか、自分の親戚にこういう仕事を父がしてたんだよっていう証明として、動画として残したい」

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