後任に浮上の川淵氏に組織委関係者は?都庁内は?[2021/02/11 18:54]

 会長の後任依頼を了承した川淵三郎さんについて組織委員会はどのように受け止めているのでしょうか。

 (社会部・岩下耀司記者報告)
 森会長からの後任依頼を了承した川淵さんについて組織委員会の関係者は「川淵さんだったらスポーツ界に通じているので心配はないのではないか」と話していました。

 関係者によりますと、森会長は東京都内の自宅で川淵さんと面会していました。

 就任を依頼された川淵さんは当初、84歳と高齢であることを理由に拒んでいましたが、森会長と会い、引き受けることを了承したということです。その際、森会長は川淵さんに「東京のオリンピックを頼んだよ。俺は前半戦から飛ばしたので選手交代だ。あとはよろしく」と話し、川淵さんは「頼まれて光栄です。お引き受けします」と答えたということです。

 森会長の辞任の意向の報道を聞いた組織委員会の関係者は「オリパラを支えるのは誰にでもできることではなく、辞任は残念だが、川淵さんだったらスポーツ界に通じているので心配はないのではないか」と話していました。

 組織委員会の関係者によりますと、12日の懇談会では評議員と理事、一堂に介することから例外的に新しい会長が決まる可能性もあり得るのではないかと話していました。

 一方、都庁はどのように受け止めているのでしょうか。

 (社会部・鈴木彩加記者報告)

 この事態を収めるためには辞任するしかなかったのではないかと都庁内では冷静に受け止められています。

 東京都にはこれまでに1700件ほどの抗議の声が寄せられています。1週間前には14件だったボランティアの辞退も10倍にまで増え、都の担当者が「電話が鳴りやまずに業務に支障が出ている」と困惑するほどです。

 小池知事は、こうした世論の高まりとともに、少しずつ批判のトーンを強め、10日、バッハ会長らとの4者会談には出席しないということにまで踏み込みました。ある幹部は、この発言について今、何を話したとしても、すべて森会長の発言にフォーカスされてしまう、東京大会の開催にブレーキをかけないために「事実上の辞任要求だったのではないか」と話をしていました。

 小池知事は現在、都庁内にいて、この後、今後どのように連携していくかなど取材に応じる見通しです。

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