未来の医療支える看護学生…試験控え二重の不安とは[2021/02/12 08:32]

 未来の医療現場を支える看護学生たちの国家試験が14日に迫っています。ただ、新型コロナウイルスに感染してしまった場合でも追加の試験はなく、受験生からは不安の声が上がっています。

 東葛看護専門学校3年・井上桃香さん:「1年生の時に初めて行った実習で受け持った患者さんが、自分たちとの関わりですごい笑顔になってくれた時に、すごいそれがうれしくて。本当に看護師になりたいなっていう思いが強くなって、それから3年間ずっと頑張ってきて」

 看護師への夢をこう話してくれたのは井上桃香さんです。年に一度の国家試験を14日に控えています。

 今年は、新型コロナウイルスの影響で最後の実習が中止になるなど厳しい1年を過ごしてきました。

 東葛看護専門学校3年・井上桃香さん:「合否への不安はもちろん当然のようにあって、コロナ陽性になってしまったら受験できるかできないかっていうところで、すごい何か根本的なところで不安とか心配になって」

 受験できないかもしれない…。

 看護師など22の医療分野の国家試験を所管する厚生労働省は受験生が感染してしまった場合、追試を行わないと公表しています。「1年かけ準備した専門性の高い試験の質を維持するのは難しい」というのです。

 これに対し、全国知事会や日本看護系大学協議会などでは追試の実施を求めていますが、変化はないままです。

 変わらない現状に井上さんは…。

 東葛看護専門学校3年・井上桃香さん:「コロナ陽性になったら悔しさしか残らないし、もしそういう人が出ても、受験資格を奪うんじゃなくてチャンスが欲しい」

 受験生なら誰しもが持つ合否へのプレッシャー。それに加えて「受験」の入り口にすらたどり着けないかもしれない…。井上さんは二重の不安を抱えています。

 また、試験会場は12都道府県に限定されていて、すべての地域に会場があるわけではありません。

 山梨県の看護学校に通う高橋怜華さんは東京の会場で受験しますが、こんな悩みがあるといいます。

 共立高等看護学院3年・高橋怜華さん:「国家試験に向けて家族にも感染対策をしてもらい行動制限してもらってるので、自分が東京の方に出てコロナのウイルスを地方に持って帰ってきちゃうのがちょっと怖い」

 感染してしまったら…。

 試験を前にした高橋さんに今の気持ちを聞きました。

 共立高等看護学院3年・高橋怜華さん:「私たちも例年とは違う環境のなかで勉強しているんですけど、個人の責任で追試験がないのは悔しいし、ちょっと理不尽だなぁって思います」「(Q.受けられない場合は…?)一年間は働けないので次の年の国家試験まで、また勉強します」

 厚労省によりますと、看護師の国家試験への出願数は6万6530人で前の年より280人多くなっています。

 今回、取材させてもらった学校ではこの1年、コロナの影響で授業がオンラインになったり受験対策も苦しかったといいます。

 厚労省は受験生がもしも感染者の濃厚接触者になってしまった場合、陰性が確認されれば別室で試験を受けられるような配慮をしているということです。

 ただ、気を付けていても誰しもが感染者になるリスクはあるわけなので、何とか未来の医療を支える皆さんが納得できる形で試験に臨めるよう、国には環境を整えてほしいと思います。

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