変異ウイルスに警戒 第3波を超える可能性も[2021/02/28 22:30]

これから先、感染者を減らしていくには何が必要なのでしょうか?感染症が専門の国際医療福祉大学、松本哲哉主任教授に聞きます。

Q:リバウンドも懸念される状況ですが、今の現状をどう見ていますか?
松本教授
「かなりのところまで感染者数が減ってきているのは多くの方の努力があると思っていて、感謝しています。ただ下げ止まりというより、もしかしたらすでにある程度人出も増えているし、緊張感も緩んできていると思いますので、場合によっては緊急事態が解除されると感染者数も増えてきてしまう可能性も十分にあると思う。心配されるのは変異ウイルスですので、今の時点ではそこまでの勢いはなくても、これから先影響が出て、変異ウイルスが第4波につながるような状況になれば、第3波よりも大きな山になる可能性もあるのではないかと思う」

Q:ニューヨークやフランスのように、日本でも変異ウイルスの割合が増加して、従来のウイルスと入れ替わることは起こり得るのでしょうか?
松本教授
「その可能性は十分にあります。現時点で把握できている数はそれほど多くありませんが、感染者全員を調べられている状況ではないので、ある意味氷山の一角となっている可能性もあります。感染力が強いウイルスなのでこれから従来のウイルスと置き換わって増えてくる可能性はあります。そういう意味では今の感染者数をもっと減らして、100人程度まで抑え込むことが重要になってくるのではないかと思います。」

Q:宣言解除時の人数によって、その後の対策のやりやすさも変わってきますか?
松本教授
「感染者数が少ないとなれば、検査で陽性になった方を変異ウイルスかどうか確認する態勢も比較的早くとれると思いますけど、第3波のピークの時のように相当な感染者が出てしまいますと、そちらの方に振り分ける労力が難しい。そうなると変異ウイルスへの対応が後手後手になってしまう可能性があります。なので、今のこの状況の中で変異ウイルスに対応できるような準備を進めていき、ある程度戦略的に『感染がおこりやすい集団』ですとか『地域』だとか、そういったところにあらかじめこちらから入っていって、検査を進めていく。変異ウイルスかどうかを確認する。そういった態勢を進めていくことによって、ようやくこれから先増えていく可能性がある変異ウイルスをしっかり封じ込めることができると思います。」

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