Clubhouseがきっかけでコラボ 泡盛×染物[2021/03/05 08:32]

 音声SNS「クラブハウス」を活用する企業が続々と登場しています。どんな狙いがあるのでしょうか?

 沖縄県石垣島で創業70年の泡盛メーカーを営む池原酒造。新型コロナで自慢の泡盛「白百合」の売り上げも減少してしまいました。そんななか、社長が始めたのは音声SNS「クラブハウス」です。

 池原酒造代表取締役社長・池原優さん:「Clubhouseを使用したきっかけですが、本当、最初は興味本位という感じでした。例えば、大手広告店、お笑い芸人、アーティストとか、議員とか、皆、真剣にアドバイスしてくれた」

 話し手が増えれば、聞く人も増える。その連鎖は、同じ沖縄の仲間をも引き寄せました。伝統的な染物「琉球びんがた」の職人・知念冬馬さんも会話に参加し、話は思わぬ方向に進みました。

 池原酒造代表取締役社長・池原優さん:「皆でガヤガヤやっているうちに、『コラボしたらいいじゃん!』みたいな感じでフランクに話が進んでいった」

 知念紅型研究所代表取締役社長・知念冬馬さん:「池原さんが次の日には『本当にやりますので、ぜひよろしくお願いします』ってメッセージも送ってくれたので、じゃあこのスピード感には応えないといけないなって気持ちも芽生えて」

 なんとクラブハウスを通じて、琉球泡盛と伝統的な染物のコラボが決まりました。4月上旬の発売を目指しています。

 池原酒造代表取締役社長・池原優さん:「Clubhouseきっかけで知り合ったし、話題作りにいいかなと思ったのもあるけど、これをきっかけに、琉球泡盛、琉球びんがたって貿易の歴史や沖縄の歴史を語るうえで欠かせない存在なので、それをコラボさせて日本全国の方に知ってもらいたい」

 クラブハウスを活用する企業は他にも…。

 FABRICTOKYO広報・高橋政裕さん:「まだ緊急事態宣言が続いていて、店舗以外にお客様とのコミュニケーションを作りづらい状況にある」

 男性向けオーダースーツを販売する「FABRIC TOKYO」は客との双方向性が少なくなるなか、コミュニケーションを増やそうとクラブハウスを始めました。

 FABRICTOKYOプロダクト部マネージャー・西浦望さん:「名前を知ってるけど使ったことないなってお客様とかもClubhouseでつながっていけて、そこから社員と購入前に接点が持てる、話が聞けるのって店舗に行かないとできない。そうじゃないところでそういう場を設けられるのは一つのメリット」

 集まったのは約90人、ただ、クラブハウスの醍醐味(だいごみ)でもある会話に参加をしたのは1人だけでした。今後の課題については…。

 FABRICTOKYO広報・高橋政裕さん:「僕らも初めてなのでやり続けるしかないのかな。西浦さんもモデレーターがうまくなっていく」

 FABRICTOKYOプロダクト部マネージャー・西浦望さん:「修行だと思って」

 FABRICTOKYO広報・高橋政裕さん:「僕も修行です」

 企業などのSNSの活用をサポートする徳力基彦さんは、音声でやり取りするSNSの勢いはさらに強まると分析します。

 noteプロデューサー/ブロガー・徳力基彦さん:「Clubhouseがサービス競争に勝つかどうか分からない。TwitterやFacebookも似たようなサービスを今作ってるので。ただ、こういうインターネットを使った音声コミュニケーションのサービスは絶対どこかが勝ち残るはず」

こちらも読まれています