10年目の被災地…漂う閉塞感 高齢化と空き家増加[2021/03/05 12:12]

 東日本大震災からまもなく10年。宮城県では1万5000戸余りの災害公営住宅が整備されましたが、今、住人の高齢化と空き家の問題に直面しています。

 宮城県石巻市の十八成浜地区に住む遠藤信子さん(72)は1人で暮らす高齢者の見守り活動を続けています。

 震災前、地区には300人が暮らしていました。

 津波で全体の6割にあたる約90戸が被災しました。

 市は高台に災害公営住宅24戸を整備しましたが、7戸が空き家になっています。

 民生委員・遠藤信子さん:「ここは空き家になってしまった。亡くなられて、去年ですかね。ここも全部入ったけど、今は全部住む人はいなくなった」

 高齢化も進んでいて入居者の約7割が65歳以上です。

 新型コロナウイルスの影響で住民同士の交流も減り、地区には閉塞感が漂っています。

 住民(78):「恐ろしいねえ。この頃、一層、生きがいがなくなった。そして、10年になってしまった」

 石巻市は空き家を減らし、地区に人を呼び込もうと被災者以外からも入居者を募集しています。

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