ランドセル今も教室に…残された“白地地区” 福島[2021/03/09 12:39]
東日本大震災からまもなく10年です。福島県では今も避難指示の解除のめどが立たない地域が多く残されていて、今後の復興に向けて大きな課題となっています。
福島第一原発がある大熊町です。町の約6割は、いまだ帰還困難区域で「原則」立ち入りが制限されています。
この区域にある熊町小学校の教室の中には、震災当時のランドセルが今も残されたままです。
大熊町の帰還困難区域のうち、地図上で黄色で示された区画は来年春の避難指示解除を目指す特定復興再生拠点に指定され、住宅の除染や解体が進んでいます。
しかし、それ以外の5割余りの白で示されたエリアは除染の時期や復興計画が白紙となっていることから、住民からは「白地地区」と呼ばれています。
佐々木祥一さんの自宅は白地地区にあります。
白地地区に自宅がある佐々木祥一さん:「計画が示されていないから、(帰還への)モチベーションはどんどん下がってしまう」
今はいわき市で息子家族と暮らしている佐々木さんですが、ふるさとへの思いは変わっていません。
白地地区に自宅がある佐々木祥一さん:「私だけははっきりしている。戻ると。あそこで生まれて育ったので、戻る所があそこ。戻るのであれば年齢が年齢なので早くという思いがある。早めに絵を描いてもらって生活できるような環境にしてほしい」