岩手・陸前高田市 復興進むも「心が置き去りに」[2021/03/11 12:23]

 東日本大震災から11日で10年です。この1年で新たに3人の身元が特定されましたが、1日時点で亡くなった人は1万5899人、今も2500人以上が行方不明です。岩手県陸前高田市ではかさ上げ工事が完了し、市街地の様子は大きく変わりましたが、被災者からは「心が置き去りになっている」との声も聞かれます。

 (中尾考作アナウンサー報告)
 陸前高田市にある高田松原津波復興祈念公園です。ここでは午後から岩手県と市による合同の追悼式が行われる予定です。

 陸前高田市は岩手県内では最も多い1808人が犠牲になりました。私は津波があった翌日も陸前高田市に取材に来ました。その時からもちろん街の様子は大きく変わりました。しかし、今も海側の地域では人々の営みが戻ってきていない現状があります。

 10年という復興の月日を経て、この光景を見て何を感じるか私たち一人ひとりが問われるような気がします。

 陸前高田市民:「前みたいな街並みにはあと10年、20年かかるのかな」「10年といっても形に見えるものは変わったとしても、変わらないで心が置き去りの人がいるのかな」

 この公園の中には気仙中学校と旧道の駅高田松原という2つの震災遺構があり、震災から10年を経て、この春から一般公開される予定です。震災の伝承の新たな場としての役割も期待されています。

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