日本酒「酒米」救え!コロナでピンチ 美味しく支援[2021/03/16 20:24]

 本来、食用ではない、このお米をおいしく食べる驚きのアイデアがありました。

 大七酒造株式会社・太田英晴代表取締役社長:「酒米は食用米と違って酒造り以外需要がないので、行き場のないお米ができてしまう」

 コロナ禍で需要が落ち込んでいる日本酒。原料の「酒米」を作る農家も窮地に立たされるなか、支援のために始まった一手とは。

 コロナ禍で飲食業界が打撃を受けるなか、日本酒の消費も減っています。

 大七酒造株式会社・太田英晴代表取締役社長:「通常の売り上げの半分以下になるくらいの落ち込みでした。なかなか前のようには全く回復していない状態です」

 その結果、大きな影響を受けているのが日本酒の原料である「酒米」を作るコメ農家です。

 酒米は酒造用に品種改良されていて、うまく麹を作れるように、コメの真ん中に硬い芯があります。そのため炊いてもふっくら炊き上がらず、食用には適さないとされてきました。

 窮地に陥っている酒米農家。そんな現状を改善しようと、支援する動きが広がっています。

 こちらの店で酒米の特徴を生かすために考案されたのが中華料理の定番「チャーハン」です。

 酒米でのチャーハンを考えた理由についてオーナーシェフの譚さんは…。

 赤坂璃宮・譚彦彬代表取締役会長:「米自体にもちもち感がないのですごくほぐしやすくて、よくほぐれるのに米のしっとり感があるので味が入りやすい。これはすごいと思って、お客さんに食べさせてみたいと思って今色々やっている最中です」

 コシヒカリで作ったチャーハンと酒米チャーハン、見た目はほとんど変わりませんが、それぞれのコメの特徴を生かした2種類のチャーハンを提供します。

 山田錦の「酒米チャーハン」は今月19日から店のメニューに並ぶ予定で、テイクアウトもできるということです。

 さらに、酒米を家庭で簡単に調理する動きも出てきています。

 酒米で作られたリゾットです。食材とレシピの通信販売を行う「オイシックス」が商品化したもので、家でも手軽に酒米リゾットを味わうことができます。

 スープが染み込みやすいという特徴を持つ酒米はリゾットにすることで芯が気にならなくなり、おいしく食べられるというのです。

 売り上げは好調で、4月以降はリゾット以外の酒米を使ったメニューの販売も検討中だということです。

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