独自“まん防”の茨城「首都圏解除」への期待と不安[2021/03/21 22:30]

首都圏1都3県では、2カ月半に渡った緊急事態宣言がまもなく解除されます。しかし、リバウンドを防ぐため、“不要不急の外出自粛要請”は今月末まで続くのですが、宣言解除を待たず観光地は多くの人で賑わっていました。

▽鎌倉「卒業旅行」最後のチャンス
神奈川県内の観光地、鎌倉。宣言解除を前に多くの人たちが繰り出し、早くも大混雑となっていました。
人出は1週間前に比べて53.9%の増加。ここまで込み合うとは皆さん、予想していなかったようです。             
観光客「東京とかよりは神奈川の方がすいてるかな、と思ったんですけど…すいてなかったね」「テーマパークとかと比べたら人は少ないんじゃないかなと思ったんですけど、結構人多かったですね」

通りでは、着物を着てそぞろ歩きする若い人たちの姿も目立ちました。着物のレンタル店では、宣言解除が決まってから、利用者が急増したと言います。
店主「今年コロナ禍で遠くまでは行けないので、近くの鎌倉で、卒業の思い出に着物レンタルする方がここ最近増えていますね」
こちらの二人はこの春、短大を卒業しました。                    
「コロナで卒業式らしい卒業式ができなかったので、鎌倉で二人で袴を着て、鎌倉で観光しつつ思い出がつくれたらと思って来ました」
宣言の再延長で迷いましたが、この週末が最後のチャンスだったと言います。
「お互い4月から社会人になるので、予定が合わせられなくなるので、前から予定してた今日にしました」「思った以上に素敵にしていただいて」「良い雰囲気で回れて楽しいです」

人出の増加に伴い、新たな心配もでてきました。
商店会会長
「小町通りは食べ歩きが比較的多いんですよね」
「やっぱりマスクを外す、それで食べる、飛沫が飛ぶ、それも歩いていくとなると、それを広げるという形もありますので」
鎌倉市は条例で、混雑した場所などで歩きながら飲食をしないように呼びかけていますが、“食べ歩き”はいたるところで見られました。
「人が出てくれることはありがたい。但しやはり、感染しないような対策であったり、行動をお願いしたいなと思っております」

▽独自の「まん延防止警戒期間」
宣言解除を、強く警戒するのが1都3県に隣り合う茨城県です。

大井川知事「非常に感染者の多い地域からの人出も今後見込まれるということで茨城県として、コロナ感染症の『まん延防止警戒期間』というふうに位置付けて、感染防止の徹底をお願いしたいと」
茨城県は宣言解除に合わせて、21日から「花見で宴会をしない、往来は慎重に判断する」などの独自の対策を始めました。        
とは言え、1都3県からの客無しでは観光地は成り立ちません。
日本三名瀑の一つ、袋田の滝にはこの週末も首都圏から多くの観光客が訪れていました。

観光客「やっぱストレスもたまりますし、多少の娯楽も必要かと」「一応必要最低限のマナーを守ってあればいいのかなと」
土産物店は、宣言解除に複雑な思いです。
担当者「1都3県緊急事態対象の地域のお客様はかなり比率的に多かったので」「期待もありますし、ウイルスの感染リスクという不安もありますし」「“期待”と“不安”と、微妙な感覚ですかね」
茨城県が、今回独自の対策を打ち出した背景には、広がりつつある“変異ウイルス”への不安もあります。
茨城県担当「やはり変異株、非常に感染力も強いといったこともありますので」「急に人の流れ、人出が多くなってくれば、さらなる波が来るといったことは、想定されるということは十分考えております」「今まで以上に感染防止策を徹底していく、そういうことが必要かなと考えております」

▽“解除から3週間”大阪はいま
首都圏より3週間早く“解除”となり、リバウンドを警戒する大阪。地上300メートル、日本一高いビル「あべのハルカス」を訪れると…
あべのハルカス担当者
「解除されてからだと、およそ2〜3倍程度ご来場いただく方が増加しております。もちろん嬉しい気持ちはあるんですけど、その反面リバウンドというのが今懸念されてますので、引き続き身を引き締めて感染予防対策を徹底していきたいなと考えてます」

あべのハルカスの真下にある公園は、週末を楽しむ人で溢れていました。
主婦「人はめっちゃ増えたと思いました。今日来て緊急事態の時とか来ててもいなかったのに今日めっちゃ多いなと感じました。3倍くらいにはなってると思います」
大学生「ここに来るのも1年半ぶりとかなんで、1年半前は、そんな人が集まるような場所じゃなかったんで。こうなっていたのはびっくり」
芝生の上では、缶チューハイを手に語らう人も…

大阪の21日の新規感染者は100人。1週間ごとの平均を見ると、宣言が解除された週は、78.3人でしたが、その後、90.9人、121.7人と増え続け、すでにリバウンドが始まっているようにも見えます。飲食街には、若者を中心、すっかり日常が戻ってきていました。

Q:リバウンドが始まったんじゃないか?という見方も出ていますが
街の声「そんなめちゃめちゃ正直意識している部分はないかもしれないです。逆に意識しているんやったら、こんな人集まってないと思うんで」
街の声「やっぱ、増えるやろなと、(宣言)解除されても出してもあんまり変わらんなと思うんです。東京は人の出入りがすごいんで、大阪みたいにちょっとずつじゃなくて、2週間後とかにまた一気に行くかなと思います」

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