“猛毒トカゲ”繁殖は「重要任務」 その理由は…?[2021/03/30 08:11]

 先月末、静岡にある爬虫(はちゅう)類の動物園「iZoo」で国内で初めて猛毒を持つトカゲ「メキシコドクトカゲ」の繁殖に成功しました。かまれた人の死亡例もある危険なトカゲをなぜ繁殖させるのか。園長に話を聞きました。

 先月末、静岡県河津町にある動物園「iZoo」でメキシコドクトカゲの7個の卵から相次いで5匹がかえりました。卵が産まれた去年8月から200日に及ぶ厳重な温度管理などで、国内で初めて人工孵化(ふか)に成功した瞬間でした。

 体感型動物園「iZoo」・白輪剛史園長:「(2012年に)オープンしてからメキシコドクトカゲの繁殖を目標にしていたので、本当にうれしいですよね。8年間ずっと飼育し続けてようやく繁殖に成功したと。環境づくりが一番苦労した点なんですね」

 園長によりますと、地球上にいる4500種類以上のトカゲのなかで猛毒を持つトカゲは2種類しか見つかっていません。そのうちの一つ、メキシコドクトカゲはあごの力も強く、海外ではかまれた人が死亡した例もあるということです。どうしてそんな危険なトカゲを飼って繁殖までするのでしょうか。

 体感型動物園「iZoo」・白輪剛史園長:「ドクトカゲというだけでかなり乱獲されたり殺されたりして海外では生息数が減っていますから、絶滅危惧種に瀕している。それを孵化させて繁殖して個体数を維持するっていうのは、爬虫類をやっているなかでは重要なミッションだった。毒を持っているからって増やさなければいいとか、何で飼うんだというところにはいかない。iZooではどんな種類でも繁殖を目指して飼育しているので、ほぼすべての爬虫類に関して繁殖技術の確立を目指して取り組んでいます」

 メキシコドクトカゲの赤ちゃんは今月19日から公開されています。体長は生まれた時とあまり変わらない20センチほど。最近ようやくネズミやウズラの卵などの餌(えさ)を食べ始めるようになったということです。

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