“公衆電話”議論 赤字を私たちが補填?…見直しへ[2021/04/05 23:00]

とれたてのバズった話題をお届けする「トレバズ」のコーナー。

(大木優紀アナウンサー)
皆さん!今日の午後3時からこんな有識者会議が開かれていたことご存知でしょうか?何について議論されたか?なんと、公衆電話の未来について議論されたんです。公衆電話はここからどう変わるべきなのか?という話し合いだったんですが、田中さん!そもそも最近公衆電話使いますか?

(田中萌アナウンサー)
最近は…。でも小学生の頃は親に連絡をとる時など使ってましたね。

(大木アナ)
小松さん、私たちが子供の頃は、公衆電話にラッシュの時間になると列ができるくらいでしたよね。

(小松靖アナウンサー)
そう、帰宅ラッシュの時に、これからお家に帰るねって駅でサラリーマンの方が電話したり、あと、十円玉をうずたかく積み上げて長距離コールとか。

(大木アナ)
ただ、美沙希さん!最近使わなくなりましたね?

(林美沙希アナウンサー)
もう10何年使ってないですね。

(大木アナ)
その肌実感がデータにも現れてまして、公衆電話の電話回数はなんと2000年度から考えても97%も減っているんです。よってNTTの公衆電話事業というのは赤字続きなのですが、この赤字、何で補填されていると思いますか?実は私たちも負担しているんですよ。固定電話や携帯電話の利用者が毎月払う「ユニバーサルサービス料」!小松さん!これ携帯電話料金の明細などで気になった事ないですか?

(小松アナ)
そういえば、なんだろう?って思ってました。

(大木アナ)
このユニバーサルサービス料、毎月3円くらいなので月々で考えるとそんな大きな負担ではないかもしれないんですが、しっかり補填していました。2020年度で考えると38億円もこの料金で公衆電話事業の赤字が補填されていたということなんです。

(小松アナ)
なんか、名目はおしゃれな横文字なってますよね。

(大木アナ)
それが実はこういう事にも使われていたんですね。海外に目を向けてみましょう。アメリカは公衆電話どうなっているのか?実はアメリカも激減していまして、2016年とちょっと古いデータなんですが、10万台にまで減っているそうです。

じゃあ、日本も減らしていけばいいじゃないか・・と思うとそうはいかないこんなルールがあるんですね。「第一種公衆電話」国の設置ルールがありまして、現行ですと市街地では500m四方に一台、銀座ですとこれくらいの範囲に一台設置しましょうというルールで、それ以外の地域ですと、1km四方に1台は置きましょうというルールがあるんです。

(田中萌アナ)
知らなかったです。

(大木アナ)
銀座の中心地だと実際にはもっとたくさん公衆電話あるんですけど、こんなルールがありました。で今日の有識者会議で携帯も普及したから、ちょっと緩和しましょうよという事で、この範囲を少しずつ広げる案が出ました。これによって公衆電話の数を1/4程度に減らすことができるということなんですが…現状日本はなんと全国で10万台以上まだありまして、さっきのアメリカ全土とほぼ同じ数あるわけですよ。国土の大きさが違いますので日本はまだまだ多いなと感じると思います。

でも、今日の会議は減らしましょうという話だけではないんです。こういう電話って大きな役割がありますよね。災害時、緊急時には必要になってきます。ですのでコインを入れる公衆電話ではなく、災害時用公衆電話というのは近年増加しています。これ何なのかと言いますと…災害発生時などの緊急時に通話料無料で利用される電話で、学校やコンビニなどに設置するようになり、グググっと数が増えているんです!やっぱり緊急時には必要なので設置は増やしているんですよね。

(小松アナ)
やっぱり防災意識が高まった事で、インフラとして大事だということですよね。

(大木アナ)
そうなんです。これについても今日議論されまして、みんなが払っているユニバーサルサービス料の料金をこっちの災害時用公衆電話にあてていったらどうでしょうか?という話し合いも行われていまして、使わないので減らしましょうだけではなくて、やっぱり今後公衆電話をどうしていくかは大切な議論になっていきそうですね。

(小松アナ)
そうですね、本当にあってはいけないですけど、災害時に着のみ着のまま出ていって、何もない時にボタン一つで緊急通報できますからね。災害時にも有用だってことがもう一回見直されているんですね。

(大木アナ)
以上、今日のトレバスでした。

(「スーパーJチャンネル」4月5日放送分より)

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