長期入院中の子どもたちにVRで遠足を…イベント開催[2021/04/27 09:04]

 心臓に疾患を持ち病院で長い間、闘病生活を送り、外出がなかなかできない子どもたちのためにVRで遠足を体験できるイベントが開かれました。

 ゴーグルを着けて夢中になっている子どもたち。見えているのは水族館でしょうか。

 熱帯に生息するイリエワニというワニ。水面から目を出して何かを見ています。

 ホワイトタイガーはなにやら自分の体をペロペロとなめている様子。

 羽根を広げたクジャク。(羽根が画面に迫る!)カメラのレンズを擦ってUターンします。

 ゴーグルの中は大阪・吹田市にある動物などの展示施設「生きているミュージアムニフレル」です。

 映像は施設内の動物を「360度カメラ」で撮影したVR動画です。

 ニフレルスタッフ:「皆さん、こんにちは。私の画面見えてますか?」

 子どもたちが入院している大阪大学医学部附属病院の小児医療センターのスタッフたちは闘病生活に寄り添うなかで、「少しでも希望を与えられたら」と思い、ニフレルと協力してこのイベントを実現させました。

 今回、参加した9人の子どもたちは遠足さながらの体験にすっかり心をつかまれた様子です。

 スタッフ:「さあ、それでは早業ですので、皆さん、まばたきしたら駄目ですよ。よく見ていて下さい。(カメレオン捕食)見えましたか?(子どもびっくり表情)なかなか私たちも普段見られないので、皆さんのおかげで見られてラッキーです。こちらにはクジャクが2羽そろって並んでいますね。何か聞きたいことがある人?」

 子ども:「クジャクの羽が大きいのって何でですか?」

 スタッフ:「実はあの羽、開くことができるんです。なぜ開くかというと、雌に、女の子に『僕かっこいいでしょ』というためなんですね」

 ニフレルは今回のイベントについて「貴重な機会と経験だった」「生きものの展示を通じて人の心を豊かにすることが我々の目指すべき方向性だと改めて確認できた」と話しています。

 治療だけでなく子どもたちの心を豊かにすることも大切。今回、初めてこのような取り組みをやってみて、現場ではVRのゴーグルなど子どもたちに慣れない機材を使ってもらうことや長い時間椅子に座ることが体力的にリスクがあることなど、今後への課題も見えてきたということです。

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