マスク“着けていても効果が激減”する条件とは?[2021/05/09 22:30]

東京都のアンケートによると外出の理由について、多くの若者が「マスクをしていれば大丈夫」と考えています。
しかし、ちょっとした違いでマスクの予防効果がほぼなくなってしまうことが明らかになりました。

▽マスク着用でもクラスター。なぜ?
小池百合子 東京都知事
「若い方に渋谷でアンケートをとったら、多くの人が『マスクをしているから(外出しても)大丈夫』という調査があったが、感染する確率というのはこれまでとは違うんだ、という認識をもたなければいけないかなと」
およそ3分の1の若者が外出の理由を『マスクをしているから大丈夫だと思う』と答えたといいます。しかし、そんな考えを覆す事態が起きていました。

感染対策を行ったうえで営業をしていたある不動産会社。窓口にはアクリル板が設置され、換気もしていたといいます。従業員も客もマスクは着用。しかし、8人が感染するというクラスターが発生してしまったのです。
国際医療福祉大学 松本哲哉主任教授
「一定の時間ずっと同じ空間を共有するのであれば、たとえアクリル板の反対側の人でも(ウィルスを)吸い込んでしまう可能性はあるわけです。エアロゾル感染というのは十分起こりえると思います」
空気中に漂うウィルスが口や鼻などに入って感染する『エアロゾル感染』。マスクは、エアロゾルを防げなかったのでしょうか?

▽マスクの「素材」と「つけ方」で変わる効果
「布」「ウレタン」「不織布」「防塵」など素材の違う4種類のマスクを用意し、専門家の協力のもと被験者に普段つけるようにマスクを装着してもらい、空気中に漂う粒子がどれだけマスクに入り込むか検証しました。その結果がー
ウレタン 漏れ率97.24% 
不織布  漏れ率96.60%
布    漏れ率48.28%  
防塵   漏れ率17.14%

多くの人が使用する「不織布」マスクは漏れ率が96.60%と、3%程度しか粒子をカットできていませんでした。
しかし、「不織布」マスクのつけ方を変えると漏れ率は16.38%と8割近く減少しました。
聖路加国際大学 大西一成准教授
「フィルター自体は、ほぼ100%通常の呼吸の流量では(粒子を)カットできているが、それが隙間から入ってきてしまっている」
隙間を少なくするには、マスクのワイヤーを自分の鼻の形に合うように『Wの形』にカーブをつけてていきます。さらに髪や髭を挟まないよう、マスクのしわをのばしながら皮膚と密着させていくのがポイントです。
「感染対策のマスクは、フィルター自体の性能です。さらに息を吐いたときに呼気が隙間から漏れていないかを調べること。人流を抑えるのが難しいのであれば、せめて正しいマスクを正しい着け方で感染対策をしていく必要があると考えています」

5月9日『サンデーステーション』より

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