天気や時間で料金が変わる? 生活の中の変動料金[2021/05/10 23:00]

とれたてのバズった話題をお届けする「トレバズ」のコーナー。

(田中萌アナウンサー)
今日は、拡大していく「変動料金」について見ていきます。みなさん、タクシーの運賃が天候や曜日によって変わっていくかもしれないというのはどうですか?

(大木優紀アナウンサー)
雨が降っていて荷物が重い時限定でタクシーを使うことが多いので、もしかしたら料金が高いとなると利用を控えちゃうかなという気もしたんですよね。

(田中萌アナ)
日中に安く乗れるのは嬉しいですけど、例えば金曜の雨の深夜などが高くなるとドキドキするなって感じもしますけども。

「変動料金」って聞き慣れないなって方もいらっしゃるかもしれませんが意外と我々の生活の中にあるんです。例えば、旅行に行く時の「飛行機代」や「ホテル旅館の宿泊代」は夏休みや年末年始に高くなる変動料金です。東京ディズニーリゾートも今年3月から変動料金を導入しまして(1デーパスポート)大人の1日パスポート平日は8200円なんですが土日祝は8700円と変わるんですね。こういった需要と供給によって料金を変動させることを「ダイナミックプライシング」と言うんです。

(大木アナ)
かっこいい名前がついてるんですね!

(田中萌アナ)
私も今日初めて聞きましたが、こういった「ダイナミックプライシング」を導入することで、飛行機代やホテル旅館代などは、閑散期は安さを売りにして需要を促進することで繁忙期の混雑緩和へつなげていっています。

こういった狙いがあってタクシー業界でも「変動料金制」を検討しているんですね。旅行に行く時、「今安いから行こうよ」なんて言葉がありますが、タクシーに乗る時も「今安いから乗ろう」なんて時代がやってくるかもしれません。

そして国土交通省が「変動料金」導入を検討しているのはタクシーだけではないんです。鉄道にも変動料金導入を検討しています。我々が通勤通学の足として使う鉄道ですが現在は1年どの時間帯に乗っても同じ料金で乗ることができますよね。ダイナミックプライシングを導入しますと、例えば混み合うラッシュの時間帯や帰宅の時間帯は料金を高く、一方、日中は料金を安くすることで通勤通学のピークの分散に繋げようという狙いがあります。これ日中自由に動ける人にとってはお得ですけど、やはりラッシュの時間帯に乗らなくてはいけないという人からは不満も出てきそうですよね。

ただ、こういった事を仕組みとして導入することで社会が変わっていくのではないかということです。JR東日本と実証実験をしてきたメトロエンジンに聞くと「大都市の働き方改革を加速させる可能性」を大いに秘めているそうです。具体的には、ラッシュ時との価格差がどのくらいになるのかまだわかりませんが、会社が負担する交通費が、社員が電車に乗る時間帯によって変化してくるとなれば、会社としても「高いから朝早く来なくていいよ」など柔軟な働き方を呼びかける動きも強まってきそうです。

小松さん、ただ時差出勤を呼びかけるのと、こういった目に見えるお得があるのでは効果が違ってきそうですね?

(小松靖アナウンサー)
通勤のコストが変わるということは、働いている側からすると労働の価値が変わる可能性もありますよね。すでに夜遅い時間の残業に残業代がつくってことはプラスアルファが加算されるってことなので、それぞれ一人一人の労働の価値が変わるということも含めて社会が大きく変わるのかなって想像しましたね。

(田中萌アナ)
一人一人の考え方や価値も変わってきそうですね。

あと、出社出勤するときの定期代に関してですけれど、まだ詳しいことは決まっていませんがメトロエンジンによるとポイント還元制になるのでは?ということでした。例えばラッシュ時の料金を基準に定期券を購入した後、混んでいない時間帯に乗るとポイント還元できる仕組みなどが考えられるということです。

こういったタクシーや鉄道の変動料金について国交省では今後も検討が続いていきます。以上、今日のトレバズでした。

(「スーパーJチャンネル」5月10日放送分より)

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