予報士のつぶやき 200ミリの雨ってどんな雨?[2021/05/18 12:30]

今年は早くも大雨の季節がやってきました。
大雨に関する情報でよくお伝えするのが、
「あす朝までに多い所で〇ミリの雨が降る見込みです」というような雨量情報。
みなさんも、100ミリとか200ミリとかといった数字を目にすると思いますが、
この数字で危険や安全を判断するのは難しいのではないでしょうか。

▼過去の災害時の雨量は?

適切に判断するために知っておきたいのは
過去の災害時にどのくらいの雨が降っていたのかということです。

去年、熊本県で大きな被害が出た「令和2年7月豪雨」では
熊本県球磨村で455.5ミリなど、24時間で400ミリから700ミリの雨が降りました。

また、長野市の新幹線車両センターが浸水した令和元年の台風19号では
神奈川県の箱根で約1000ミリ、長野県内でも300ミリを超える雨が降っています。

▼300ミリ以上は危機感が高い

降り始めからの雨量が100ミリを超えると
土砂災害が起こる可能性が出てくると言われていて、
300ミリを超えると土砂災害が増える印象です。
近年の大きな災害時は400ミリを超える雨が降っている場合が多いです。
私自身も予想で300ミリという数字が出ると、かなり危機感を持って仕事にあたります。

ただし、これは地域差がかなり大きいです。
北海道では100〜200ミリ程度の雨でも大きな災害が発生することがあります。

▼気象庁ホームページの活用を

気象庁のホームページには、過去の大きな災害時の記録がまとまっています。
ご自身の近くで起きた災害ではどのくらいの雨が降っていたかを把握しておくと
いざという時の判断の目安になると思います。

テレビ朝日気象デスク 森口哲夫

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