予報士のつぶやき「関東は梅雨入りしたの?」[2021/05/19 15:10]

最近、予報士をはじめ天気関係者を悩ませる質問がある。
「関東は梅雨入りしたの?」である。

きょう19日(水)現在、気象庁は関東甲信の梅雨入りを発表していないため、その答えは「まだしていない」である。ただ、最近の関東は毎日のように雨が降り、洗濯も満足にはできない状況だ。湿気も多く蒸し暑い体感は梅雨そのものであり、本当に梅雨入りしていないのだろうか?という迷いもあるのが正直なところだ。

実際のデータを見てみると、東京都心では、今月1日から19日にかけて15日間も雨を観測した。あす20日(木)も雨が予想されているため、今月上旬・中旬は16日間も雨が降ることになる。これは関東甲信で統計史上最も早く梅雨入りした1963年(5月6日ごろ)の17日間に匹敵する多さである。

さらに、九州〜東海では、すでに梅雨入りが発表されたことも迷いを増幅させる。なぜ関東甲信はまだなのか。そのモヤモヤを解消すべく気象庁の方にお話を伺った。

梅雨入りの判断を分けたのは、実況と今後の予想における「雨の強さ」と「広がり方」だという。関東甲信は、九州〜東海に比べて予想される雨が弱く、広がり方も顕著ではなかったために梅雨入りの発表に至らなかったそうである。

九州〜東海の梅雨入りも、難しい判断であったことがうかがえた。
「例年ならば“梅雨のはしり”ととらえる時期。あまりにも早すぎる梅雨入りとなるため、週間予報に加え、長期予報も判断材料とした。予報の後半部分ははっきり見えないところもあった。」

元々、気象庁が梅雨入りを速報的に発表するのは、大雨シーズンに入ることを周知し、災害への備えを促すため。記録的な早さであるにもかかわらず、梅雨入り発表に至った背景には、その大原則があったのだろう。

ちなみに、現時点での梅雨入りは速報であり、正式に確定するのは9月1日である。今続いている雨は「梅雨のはしり」と判断され、九州〜東海の梅雨入りがもっと遅くなる可能性もあれば、関東甲信も実は現時点で梅雨入りしていたという可能性もある。

個人的には後者の流れになるのではないかと考えている。東海地方の梅雨入りが発表された16日(日)以降、来週にかけての予報も含め、東海地方と関東甲信地方で同じような天気傾向だからだ。隣り合い共に太平洋に面する地方であるにも関わらず、梅雨入りの日が乖離するのは自然に反するようにも思う。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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