ワクチン3種類を比較…効果の差は?専門家に聞く[2021/05/19 23:30]

新型コロナウイルスのワクチンについて、ファイザーに加え、24日からの大規模接種会場で、今後、使用される予定のモデルナ。そして、アストラゼネカの2社が20日にも国内で承認の判断がされる見通しです。日本ワクチンの学会理事で、感染症に詳しい長崎大学大学院の森内浩幸教授に聞きます。

ワクチンの種類ですが、すでに医療従事者や高齢者向けに接種が始まっているファイザーのワクチンとモデルナのワクチンは、同じメッセンジャーRNAです。発症予防有効率について、ファイザーは95%、モデルナは94%です。
(Q.有効率について、どう見ていますか)
両社とも驚異的な有効率を持っていて、大差なく、期待されるワクチンです。

主な副反応として、頭痛や筋肉痛、発熱があります。まれなアナフィラキシーがあります。ファイザーでは100万回接種のうち4.7件、モデルナでは2.5件報告されています。
(Q.この数字、どう見ればいいでしょうか)
両社で若干の違いがありますが、まれな合併症であるということ。そして、何よりもアナフィラキシーに対する特効薬・アドレナリンが注射器に入った状態で接種会場に準備されていますので、大事に至ることは極めてまれだと思います。

一方、アストラゼネカのワクチンの種類はウイルスベクターで、保管温度は2〜8度と保管しやすいのが特徴です。
(Q.どういった場面で有効ですか)
いまのワクチン接種が進まない最大の理由は扱いが面倒ということ。アストラゼネカのワクチンは、例年、打っているインフルエンザのワクチンと大差がありませんので、かかりつけ医などで接種を行っていくうえで、非常に便利なワクチンだといえます。

有効率については、76%です。
(Q.この有効率について、どう見ていますか)
発症を防ぐ効果が76%で、さらに、重症化・死亡を防ぐ効果は、もっと高くなりますので、非常に良いワクチンだといえます。インフルエンザのワクチンは年によって当たり外れがあり、大体、50、60%なので、それよりは有効率が高いといえます。

副反応では、頭痛、筋肉痛などのほか、まれに血栓がみられます。欧州医薬品庁によると約3400万回の接種のうち、222件。海外ではこのアストラゼネカのワクチンについて、血栓の副反応が特に20代〜40代の女性に出ていることで取りやめる動きも出てきています。
(Q.どう見ますか)
確かに20代〜40代の女性に多いですが、この年代は、新型コロナウイルスに感染しても、それほど重症化することが少ないです。このワクチンのメリットとリスクのバランスを考えると、若い人に使うのは若干注意が必要かもしれません。適用を年齢で区別していくかどうか、今後、しっかり議論していく必要が出てくると思います。高齢者であれば、血栓の合併症が起こることがまれです。何より、高齢者にとって、ワクチンのメリットは非常に大きいですので、利益とリスクのバランスからいくと、高齢者にとっては、問題なく接種していけるようなワクチンだと思います。

(Q.海外で、接種後、3日間高熱で苦しんだという例もありますが、高熱は大丈夫なのでしょうか)
特に2回目の接種後、高熱や全身の倦怠感の症状が出ることが多いのですが、これはワクチンが有効に働いて、抗体を作るための準備段階ですので、決して、悪いことと受け止めることはないと思います。こういう反応が出やすいのは若い人で、抗体をいっぱい作れるということです。しばらくすると収まる反応ですし、解熱剤を使うこともできるので、そういう形で対応してもらうのがいいと思います。

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