予報士のつぶやき「また黄砂か 今年は大規模」[2021/05/24 12:45]

あす25日(火)は、再び黄砂が予想されている。今年の黄砂は大規模で、ひとたび飛来すると、影響が列島の広範囲に及ぶことが多い。黄砂が観測されるのが比較的珍しい東京都心でも、今年はすでに3日観測されており、2010年以来11年ぶりの多さとなっている。

黄砂は、中国大陸のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などで強風により吹き上げられた多量の砂やちりが、上空の偏西風にのって日本へ運ばれ、大気中に浮遊したり地上付近に落ちてくる現象である。

日本では春に観測されることが多く、以前は「春の風物詩」などといわれていた。ただ、日常生活などへの悪影響が大きく、実際は「春の厄介者」でしかない。

黄砂による視程(水平方向での見通せる距離)と生活への影響の大まかな関係は、気象庁によると以下のようである。黄砂の粒の大きさや湿度の違いによりばらつきがあるものの、視程が、
▼10キロ未満:風景がぼんやりとかすむ
▼5キロ未満:車や洗濯物などの表面への砂の付着が目立ち始める
▼2キロ未満:航空機の離着陸など交通への影響が出始める
現在は、呼吸器疾患や循環器疾患など、健康への影響も報告されている。

以上のように、悪影響の大きい黄砂だが、その情報を知るための手段があまり知られていないように思う。そこで、おすすめの方法をまとめておきたい。

黄砂の予想に関しては日々の天気予報を見るというのが手っ取り早い方法だ。大雨や猛暑などと同様、天気予報における黄砂の優先度は高く、黄砂が予想されているときはその情報に触れる天気予報がほとんどであろう。

実際に黄砂が観測されたことを確認するには、気象庁が発表する「黄砂に関する気象情報」を見るのが一番だと思う。生活に影響が大きくなるような黄砂が予想または観測された場合、各都道府県の気象台が「黄砂に関する府県気象情報」を発表する。そこには、お住いの都道府県における現在の黄砂の観測状況や見通しが細かく書かれている。

今シーズンの黄砂はこれで終わりとなってほしいものだが、過去には6月にも飛来した年がある。もうしばらくは注意が必要となりそうだ。

テレビ朝日気象デスク 藤枝知行

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