予報士のつぶやき 代々木公園樹木剪定と猛暑対策[2021/05/28 14:31]

先日、代々木公園の樹木の剪定について、署名が集まっているとの報道がありました。
代々木公園は23区内の都立公園の中で五番目に広く、面積は約54万平方メートル、東京ドーム約12個分の広さです。上空から見ても、その緑の多さが際立ちます。
梅雨が明けると暑い夏がやってきますが、酷暑都市・東京においては、代々木公園は貴重な“避暑地”です。


▼代々木公園の内外で、温度差10℃以上
気候変動観測衛星「しきさい」のデータを使って地表面温度を推定すると、真夏のよく晴れた日、東京都心では45〜50℃、場所によっては50℃以上に達します。一方で、代々木公園内の地表面温度は35〜40℃程度で、10℃以上も低くなっています。

植物は直射日光を遮る効果があるのはもちろんですが、葉で行われる「蒸散」が周りの空気から熱を奪う役割を果たすため、気温が下がるのです。


▼都市部でも、屋上緑化で暑さが緩和
今ある緑地を減らさないことはもちろんですが、既にビルなどが建っている土地についても、屋上緑化で暑さを緩和できます。

国交省屋上庭園のデータによると、夏の屋上のタイル面の表面温度が44.5℃であったのに対し、屋上緑化の芝生の表面温度は33.3℃だったそうです。その温度低減効果は11.2℃と、屋上庭園も暑さの緩和に役立つことがわかります。


▼“緑のカーテン”植え時はまさに今
屋上緑化だけでなく、壁面緑化も暑さの緩和に効果的。そこでおすすめなのが緑のカーテンです。
大手種苗メーカーによると手間、成長、病気や虫に強い等の観点から、花なら西洋アサガオ、野菜ならゴーヤがグリーンカーテンにお勧めだそうです。種蒔きの時期は4月下旬〜5月頃なので、今ならなんとか間に合う!ぜひ試してみてはいかがでしょうか?


テレビ朝日ウェザーセンター 気象予報士 千種ゆり子

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