いじめ損賠請求訴訟 学校側の責任認める 東京高裁[2021/06/03 19:49]
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小学生の時にいじめを受け「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」を発症したとして19歳の男性が訴えていた裁判で、東京高裁は担任教師らが対処を怠ったとして学校側の責任を認める判決を言い渡しました。
19歳の男性は、千葉市の公立小学校の5年生の時に同級生からたたかれるなどのいじめを受け、担任教師らが適切に対処しなかったことでPTSDを発症したとして、同級生の両親と千葉市を相手取り裁判を起こしました。
一審の千葉地裁は同級生の両親に33万円の賠償を命じましたが、学校側の責任は認めませんでした。
3日の控訴審判決で東京高裁は「当時、男性が同級生からたたかれたりしていることを担任教師は認識していた」「担任教師らは同級生を強く指導したり、家庭での指導を促したりするなどの措置を怠った」と指摘しました。
そのうえで、「男性は精神的苦痛を受け不登校になり、精神症状の治療のために継続的に通院し、現在も治癒していない」などとして同級生の両親と千葉市に対し、合わせて約388万円の賠償を命じました。
一方、いじめとPTSDとの因果関係は認めませんでした。
判決後、男性は会見し「いじめを放置する大人はいじめの加害者です。教職員の皆さんには自らの存在意義について考え直してほしい」と話しました。