夜の街 「酒の提供」“再開”相次ぐ[2021/06/06 22:30]

緊急事態宣言が再延長される中、繁華街では酒の提供を再開する店が目立ちました。
大手飲食チェーンは「これでは感染対策がなし崩しだ」と訴えています。

▽ワクチン大規模接種 各地で始まる
佐々木一真アナウンサー
「横浜の客船ターミナルです。6日からここでもワクチンの大規模接種が始まりました。近隣の駅からはシャトルバスが5分間隔で運行されていて、高齢者の方が続々と会場に入っていきます。」
全国の市区町村で65歳以上の高齢者が最も多い横浜市。この会場での9万2000人分の予約はすでに埋まっているということです。

名古屋空港でも大規模接種が始まりました。打ち手は「歯科医師」です。
愛知県歯科医師会 内堀典保会長
「私も筋肉注射をするのは学生時代に実習でやったきりで40年くらい前の話ですので、最初の1回目だけちょっと緊張しましたけど、あとは何事もなく日ごろの感覚でできました。」

加速するワクチン接種ですが今、感染拡大が最も深刻なのは、沖縄です。県立学校は感染対策のため、7日から2週間の休校となります。
この影響で、九州高校総体のテニスやサッカーなど18競技の中止が決まっています。

▽「もう要請に応じない」決断の理由
佐々木一真アナウンサー
「東京では“時短要請”が始まって半年以上、酒類が提供できなくなって1か月半近く経ちます。
夜の繁華街を見てみると要請に応じている店と、もう応じることはできないと営業を続ける店が混在する状況となっています。」

隣り合う店でも分かれる要請への対応。午後8時以降も酒を出して営業する店は、どこも多くの客で賑わっていました。

酒の提供を再開した店のオーナーはー
「5月いっぱい全部閉めてて「閉めろ」って言われたから閉めててね。その挙句にだよ。(協力金は)6月30日に申請開始と。びっくりだね。
営業再開のきっかけは、4月12日から5月11日までの協力金の申請が6月30日からになったことでした。
「それを見た瞬間から開けましたよお店。そこにもってきて何でオリンピックなんだって。何が安心安全、安全なスポーツ大会なのか分からないけど、もう(店を)開けて客呼ぶしかないよね。」

▽感染対策なし崩しの懸念…「酒類提供禁止」解除の要望書
佐々木一真アナウンサー
「要請に応じない店が増える中、こちらの大手飲食チェーンは酒類の提供禁止の解除を求める要望書を提出しました。」
「葱や平吉」や「紅虎餃子房」など、全国でおよそ280店舗を展開する「際コーポレーション」。宣言下にある10都道府県に要望したのは、「酒類提供禁止の解除」です。

中島武社長
「食に関しては、原価率をたくさんかけてやっているのに、お酒で少し利益を頂いているのが、バランスがまったく崩れてしまう。今、私たちは時短の協力、そしてお酒の禁止、そのうちのお酒の禁止を解除してほしいと」

「際コーポレーション」は、これまですべての要請に応じてきました。ただ、酒の提供ができない影響は大きく、10店舗が休業中。3回目の宣言で、3店舗が閉店に追い込まれました。中島社長が心配するのは、あまりに厳しい要請によって、業界の足並みが乱れ、感染対策がなし崩しになることです。

「守れないルールを作って、どんどんどんどんそれが崩壊している状況を東京都もどう考えているのか。 お酒を出したらもう夜の8時守っても守らなくても同じルール違反ですから。というので夜の8時以降もやってしまう、こういうことが起きていますよね。そうするとこの規制が崩れていってしまうんじゃないかと。」

今のところ、要望書を送った10都道府県からの返答はないと言います。

6月6日『サンデーステーション』より

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