コロナ禍でも加速“スマート農業”劇的な進化とは[2021/06/13 22:30]

世界的な食料危機や、日本国内での後継者不足など多くの問題を抱えている農業。
「デジタル技術」を融合させることでことで今、驚くべき進化を遂げています。

▽指定されたルートを自動で飛ぶ”田植えドローン”
水しぶきを上げながら、田んぼの上を飛び回るドローン。
空中から撃ち込まれていたのは種もみ。実はこれ、指定されたルートを自動で飛ぶ“田植えドローン”なんです。
“トマト収穫ロボット”は色づき具合をAIが判別し、24時間自動で収穫できるロボットです。
実は今、農業とデジタル技術を組み合わせた「スマート農業」が劇的な進化を遂げています。

埼玉県行田市のコメ農家、新井さん。
この日初めて乗り込んだのは、最新技術を搭載した農作業トラクターです。
ハンドルを握らずとも進むトラクター。手動では蛇行してしまう所も位置情報を使うことで、まさに一直線!無駄なく、正確な作業ができるといいます。
東京ドーム8個分の田んぼをわずか4人で管理するという新井さん。日本の農業に共通する悩みを抱えていました。
「今ご存じの通り、高齢化と後継者がいませんから…」
その中で新たに導入したトラクターは即戦力としての手ごたえを感じたようです。
「今の時代に合った技術をプラスして進めれば、魅力ある農業に展開していけるのかなと思いますね。(私の)スマート農業元年というところなんですかね」

今や世界中で導入が進むスマート農業。
ドローンや自動運転など、他の分野でも発展を遂げる技術の導入が一気に加速しているのです。

▽宇宙空間でレタス栽培
玉川大学では食料危機の解決に繋がる研究が行われていました。
目の前に現れたのは…眩いばかりの赤や青。
ここは人工的な環境でレタスを育てる野菜工場。栽培室の中では気温や湿度、さらには風までもコントロールされています。
しかし、なぜ赤い光なのでしょうか?
玉川大学 渡邊博之教授
「太陽の光の中には、赤橙黄緑青藍紫、7色の虹の色が含まれていますが、早く大きくしようとすると赤色が効果が高いんですね。」
「2000倍〜3000倍ぐらい生産量を稼ぐことができる。それは自然の中ではできないことですね。」
この技術は地球を飛び出し、宇宙空間にも進出。宇宙飛行士たちもこのLEDレタス栽培に取り組んでいます。究極の目標は地球に頼らない自給自足だといいます

進化し続けるデジタル技術が照らし出す、農業の未来は私たちの未来までも明るくしてくれるかもしれません。

6月13日『サンデーステーション』より

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