奈良 “観光関係者”を優先接種 狙いは?[2021/06/13 22:30]

感染者の下げ止まりやリバウンドが心配される中、多くの街で人出が増加しています。緊急事態宣言の期限まであと1週間ですが、解除することはできるのでしょうか?
一方で全国各地でワクチン接種が加速しています。

▽五輪PVどうなる?にぎわう井の頭公園
13日の東京の新規感染者は304人。先週の日曜に比べ47人減りましたが、12日は30日ぶりに前の週を上回り、リバウンドも警戒されます。
吉祥寺の駅前では、東京都の職員らがー
「緊急事態宣言措置期間中です。宣言の一番の目的は人の流れを止めることです。」
呼びかけも空しく、人の流れは止まりません。「吉祥寺駅周辺」の12日の人出は“宣言”直後の同じ曜日に比べると25・9%増えていて、井の頭公園にも多くの人が繰り出していました。
13日に予定されていた恒例のイベントも中止になりました。しかし、井の頭公園で開催予定の東京オリンピックを盛り上げるためのパブリックビューイングは、特別なようです。井の頭公園は二つの市をまたいでいて、武蔵野市は「中止を求める要望書」を提出。三鷹市は、開催の条件として「入場制限や飲食ブースの取りやめとともにワクチン接種会場の併設など」を求めています。ただ東京都と大会組織委員会は、まだ結論を出していません。

▽全日空で“ワクチン職域接種”始まる
全日空が日程を前倒して13日から始めた「職域接種」。グループの社員およそ4万6500人が対象で、まずは国際線のパイロットや客室乗務員などを優先し、当面は1日300人のペースで進める予定です。
接種した客室乗務員
「ワクチンを接種することによって本当にみんなが安心して過ごせるようになるといいなと思っております。」
日本航空もあすから接種をはじめる予定でコロナ禍で不況の航空業界は、ワクチン接種で巻き返しをはかります。

▽奈良市では“観光関係者”を優先接種
自治体でも経済の立て直しをはかろうと独自の優先接種枠をもうける動きがあります。
コロナ前は、年間1700万人を超える観光客が訪れていた奈良市。しかし、修学旅行の定番、奈良公園も観光客はまばらです。こうした状況が改善できればと、奈良市では特定の業種に絞った集団接種を14日から始めます。中でも力を入れているのが、タクシー運転手や旅館のスタッフなど観光に携わる人たち。およそ2000人を優先的に接種する予定です。
仲川げん 奈良市長
「集団免疫を確保できれば他の観光地よりも先駆けて経済の回復、復興を実現していけるのではないか。奈良の宿泊施設は安全ですよと全国の方にPRしていくこともできる」

世界遺産・東大寺が一望できるこちらの旅館。コロナで離れた観光客を呼び戻すきっかけになればと、ワクチンに大きな期待を寄せています。
ホテルニューわかさ 下谷直広 社長
「平日は(客室稼働率は)1割、2割。ほぼ休館の日も多い状況です。ワクチンを打つことで従業員一同、安心安全に働ける環境になると思う。どこのエリアからお越し頂いたお客様に対してでも安心して接客できるようになると思う」
社長の下谷さんは39歳。他にも接客に関わる20代から30代の若いスタッフを中心に25人が接種するということです。奈良市では観光事業者などの次に若い世代への接種を進めたいとしています。

▽茨城県の大規模接種“警察官”から接種
13日から大規模接種が始まった茨城県。順番待ちをするのは、高齢者でなく茨城県警の警察官らです。
東京オリンピックのサッカー競技会場などで警備にあたることから、およそ1000人の警察官らが優先的に接種を受けることになったと言います。

Q観客を入れる前提で動いていらっしゃる?
茨城県警オリ・パラ対策室長 遠藤修一郎 警視
「今のところはそうです。まだ示されてませんので色々なパターンを考えながらですね、観客を入れることも想定して警備計画をしないと間に合いませんので。」
観客をどうするかの結論が出ないまま進むオリンピックのための接種。一方で、高齢者への大規模接種は19日からです。

6月13日『サンデーステーション』より

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