養殖に革命!「緑LEDライト」でヒラメの成長促進[2021/06/14 08:05]

 ヒラメの養殖が盛んな大分県。その養殖現場では、とある技術が導入され、注目を集めています。

 白く透き通ったヒラメのお造り。その身はずっしりと重く、つやつやに輝いています。

 このヒラメ、今ちょっと変わった養殖方法が行われているのを知っていますか。

 養殖ヒラメで全国一の生産量を誇る大分県。

 佐伯市蒲江にある養殖場の中には一面、緑色のライトで照らされている場所が。

 これは一体…。

 東和水産・阪本龍也さん:「大きな変化は“餌(えさ)食いが良くなった”これは極端に違います」

 映像は通常の水槽と、LED(発光ダイオード)を当てた水槽でヒラメの行動を観察したものです。LEDを当てた水槽の方が、活発に動いているのが分かります。

 大分県農林水産研究指導センター・内海訓弘さん:「緑色のLEDの光を浴びたヒラメはよく泳ぎ回るんですけど、食欲も増進されて餌をよく食べるということで大きくなっています」

 大分県の農林水産研究指導センターでは、4年ほど前からヒラメの研究に力を入れていて、LEDを当てたヒラメがより早く成長することを確認しました。

 しかし、なぜLEDを当てるだけで、成長が促されるのでしょうか。

 魚類のホルモンを専門に研究している北里大学の高橋明義教授は…。

 北里大学海洋生命科学部・高橋明義教授:「赤と緑と青。それぞれ光を当てたらどうなるだろうというところから始まりました。『カレイ』と『ヒラメ』に緑の光が成長に対して一番よく効くということが分かってきた。ただし、なぜ緑の光で餌を食べる量が増え、成長が促進するかという科学的な仕組みはまだ全く分からない」

 データでは実証されているものの、その効果の要因はまだ研究中だということです。

 大分県農林水産研究指導センター・内海訓弘さん:「LEDを照射することで、養殖期間が短縮すると思う。コストの削減にはつながるのかなと思います。他の魚種でも(成長促進)効果があるか、成長促進以外にどんな効果があるのか、調べていきたいと思っています」

 養殖業界の革命的な発見。今後のヒラメの生産拡大が期待されます。

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