「線状降水帯」情報運用へ 急増“豪雨災害”に備え[2021/06/16 23:00]

とれたてのバズった話題をお届けする「トレバズ」のコーナー。

(大木優紀アナウンサー)
今朝東京都内では一時、中野区の川に氾濫危険情報が出るなど激しい雨が降ってました。朝、雨の音で目を覚ました方も地域によってはいらっしゃるかなと思います。今日はこちらです。本格的な大雨のシーズンに合わせて明日から気象庁が「線状降水帯」に関する情報の新しい運用をスタートします。

こちら、きのうの沖縄周辺の雨雲のレーダーなんですが、「線状降水帯」がまさに発生しているのがわかると思います。「線状降水帯」とは積乱雲が線状となり、数時間にわたり同じ場所に激しい雨を降らせる気象現象なんですが、近年、2015年9月の鬼怒川決壊、2017年7月九州北部豪雨、2018年7月西日本豪雨、2020年7月熊本球磨川決壊などたくさんの被害が出ていまして、すでにその危険性をご理解いただいている方も多いと思います。

こうした被害を軽減すべく気象庁は、明日から「線状降水帯」の情報発表を新しくします。これまでは、予報などがありませんでした。「このあと線状降水帯が予想されます」などの言葉は使っていなかったんです。というのもこの「線状降水帯」は予想や予報するのが非常に難しいんです。ですからこれまでは大雨が降った後に「この前の大雨の原因は線状降水帯でした」という言い方をしていました。

これが、明日から少し変わります。「線状降水帯」が自動検出されまして、検出した時点で「顕著な大雨に関する情報」というのを発表します。更に気象庁のホームページで「線状降水帯」が発生している地域を赤い楕円で囲んで、この部分が危険ですよと示すんです。ただ小松さん、これも検出した時点で発表されるということなんです。

(小松靖アナウンサー)
これまでは予測が難しかったので事前には出なかった。今回は自動で検出されるからちょっと早いのかもしれませんね。

(大木アナ)
そうなんです。これは「線状降水帯」だとわかった瞬間に出すところが、変わったところなんです。で、その名称に関してSNSではこんな話が出ているんです。「(顕著な大雨に関する情報って(わかりにくいネーミングだよな」「顕著な大雨じゃなくて線状降水帯って書いてほしい」。なぜ「顕著な大雨に関する情報」という名称になったのか?気象庁長官が答えています。「災害の発生には線状降水帯によってもたらされる大雨が重要だという指摘が各所からありそういった意見を踏まえて、顕著な大雨に関する情報という名前にしたところです」。これ、どうお感じになりますか?

(小松アナ)
単純に「線状降水帯」が一定の市民権を得ていたなという感覚があったんで、色々事情はあるんですけどそこでまた言い換えられると、せっかく定着したのになって思いますね。

(大木アナ)
「線状降水帯」という言葉の認知度が低いのであれば、その認知度を上げるような方向で考えて行ってもよかったのかなという気も…。

(林美沙希アナウンサー)
「線状降水帯」って結構毎年聞く言葉になってますよね。

(大木アナ)
結構すでに認知度も高いのかなというところもあります。テレビ朝日では速報でお伝えする場合は「線状降水帯による非常に激しい雨」。このようにお伝えします。

さて、ではこの「顕著な大雨に関する情報」がでた時私たちはどのようにすればいいのか?先ほどからお伝えしているように、これが出る時はすでに「線状降水帯」を検出しているんです。ですからここがポイント!発表された時点で激しい雨が降り続いている状況なんですね。気象庁長官も「この情報が出るときというのはすでに避難指示などの情報が出ているときだと思います。避難を迷っているということであれば早く決断していただきたい」と呼び掛けています。つまり、この「顕著な大雨に関する情報」が出た時は、私たちは命を守る行動をしなければいけません。「非常に危機的な状況」だと認識する必要があるんです。
これから始まる雨のシーズン、皆さん注意していただきたいと思います。以上、今日のトレバズでした。

(「スーパーJチャンネル」6月16日放送分より)

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