万引きさせない“AI防犯カメラ”その仕組みとは?[2021/06/21 09:49]

 後を絶たない万引き被害。犯行の瞬間を確認するためでなく万引きをさせないための防犯カメラが登場しました。どんな仕組みなのでしょうか。

 「万引きさせない防犯カメラ」が捉えた映像には、男性を囲った四角い枠が白から黄色、そして赤色に。

 まずは陳列棚の前に現れた男性を検知、白い枠で囲みリアルタイムで監視が続けられます。

 男性がウロウロしたりキョロキョロしたりしていると枠は黄色に。「ちょっとあやしいな」というサインです。

 男性が不審な行動を繰り返していくと今度は枠が赤色に。カメラが男性を不審人物だと判定した瞬間です。

 画像が店員のスマートフォンに送られます。

 そして、店員に声を掛けられた男性。万引き犯にならずに済みました。

 アースアイズ代表取締役・山内三郎さん:「万引き犯は商品を手に取ってその後なぜか辺りを見回したりする行動がある。単純に言うと自分が見られていないかを確認したい。通常のお客様とはちょっと違った行動が、この人あやしいよとスマホにお知らせをしてくれる、そういう仕組み」

 秘密は黒い箱です。

 AI(人工知能)が組み込まれていて、数百あるといわれる万引き犯にありがちな行動がインプットされています。

 その名も「AI大魔神」。

 最大16台の防犯カメラで使えます。

 3Dで映像の奥行きを把握できる技術が採用されていて、複数の人が重なったとしても、個々の動きを判断できます。

 アースアイズ代表取締役・山内三郎さん:「不審者・ストーカーが家の近くにいるとか、泥棒が会社・家の中に来ましたとか、そういうものに関しても、不審行動していると発見しやすい。介護の分野、例えばおじいちゃんが徘徊(はいかい)してしまうとか、ベッドでの転倒事故とか、そのような予防・抑止には確実につなげられるというデータは出てきました。(AI大魔神は)万引き対策以外にも、今後色んな形で出していきたいと思っています」

 このAIを組み込んだ防犯カメラなんですが、累計で約3300台がスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどに導入されています。ある店では、赤い四角で囲まれた4割の人に声掛けをしたところ、6割以上も被害が減ったという報告もあります。

 VTRにも登場した生みの親・山内さんですが、スーパーやドラッグストアなど店の種類によっても万引き犯の取る行動が微妙に違うと話していて、防犯のプロとしての一面をのぞかせていました。

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