“コロナ禍の新しい生き方”元慶応ボーイの選択[2021/07/09 09:32]

 コロナ禍、新しい生き方があるのでは。そう考えた24歳の元慶応ボーイが仕事をやめ、仲間と縁もゆかりもない長野の田舎町で共同生活を始めました。

 慶応大学の同級生の4人。卒業後、それぞれの道を歩んでいましたが、今年4月、長野県小海町にそろって移住、共同生活を送りながらユーチューバー「ノーマンズ」として活動しています。

 元外資系企業勤務・千田康介さん(24):「コロナのなかで新しい生き方に興味を持って」

 外資系の化粧品会社に勤めていた千田さん。

 小海町がブドウ畑の担い手を探していることを知り、仲間に声を掛けました。

 しかし、募集の対象は「地元農家」。それぞれの仕事を捨て、移住しなければなりません。

 元IT企業の営業・長谷川達也さん(26):「母親は『せっかく仕事をしているのにいきなり辞めて今後、未来も見えない不安な(ことをする)っていうのは肯定も否定もできない』と」

 元バーの店員・林秀直さん(25):「両親からは『前向きに応援するよ』。釘を刺すように『そんなに甘いもんじゃないからな』」

 自分たちのワイナリーを夢見て始まった新生活。親の言う通り、甘くありませんでした。

 待っていたのは更地です。

 まずは畑作り。地元の人に助けてもらいながらトラクターで耕します。

 そして、農地の管理に欠かせないのは測量です。

 ゼロから始めたブドウ作り。5月に植えた苗は順調に育っています。

 そして、都会から来た4人は田舎暮らしにも少しずつ慣れてきたようです。

 新卒でメンバーに加わった中村佳太さん(26):「こっちの人は玄関口まで来るのは結構あると思うが、普通に居間にいた、みたいのはびっくりした」

 元バーの店員・林秀直さん:「採れたてのレタスや白菜を頂いたりして親切にしてもらっている」

 この畑のワインが飲めるのは最短でも4年後。ワイナリーと呼ばれるにはまだまだ先が長い道のりです。

 元外資系企業勤務・千田康介さん:「親しい人にプレゼントしたくなるような素敵なワインを作りたいです」

 元IT企業の営業・長谷川達也さん:「人と人とをつなぐワインですかね」

 千田さんたちによりますと、小海町にはワイン用ブドウの栽培実績はなく、自分たちがパイオニアになって町に貢献したいと意気込んでいます。

 移住したタイミングで4人はユーチューバーとしての活動も始めていて、ワインができるまでの記録を兼ねて空気がきれいで自然豊かな町の様子を撮影して配信しています。

 小海町については4人とも口をそろえて住民の人柄が良いと話していて、とても気に入っているようです。

こちらも読まれています