温暖化で北海道のホタテとウニがピンチに?対策は[2021/07/14 13:00]

きのう13日は九州北部と中国地方で、きょう14日は北陸でも梅雨明けの発表があり
気温が上がっている所がありますが、
北の大地・北海道でも暑くなっています。

予想最高気温は、札幌・旭川・北見で31℃。
札幌では14日から8日間連続で30℃以上の真夏日が予想されていて
7月に8日間連続で真夏日となれば、1924年以来のことです。



▼気候変動で、北海道の海の幸が危機に

その北海道ですが、このように暑い日が続くようになると、
ある美味しい海産物がピンチに…
という論文が先月発表されました。

その海産物とは、ホタテやエゾバフンウニ。

北海道大学大学院の藤井賢彦准教授によれば、
地球温暖化の進行によって海面水温が上がると
夏にホタテやエゾバフンウニにとって危険な高水温水準(23℃以上)
に達するようになり、死んでしまう可能性があるそうです。

エゾバフンウニ以外に、キタムラサキウニというウニもいて、
より高い水温でも育つことが知られています。

エゾバフンウニがとれなくなったらキタムラサキウニで代替することも考えられますが
水産的な価値からするとエゾバフンウニの方が高値となりやすく、
水産業としてはやはりエゾバフンウニの減少は痛手です。



▼影響は避けられないのか? 具体的な対策は

地球温暖化対策には、CO2・メタンなどの温室効果ガスを減らして
温暖化を緩やかにしていく「緩和策」と、
温暖化が進んだ世界に備える「適応策」があります。

もちろん「緩和策」は同時並行で進めていくとして、
「適応策」としては、どのような対策が考えられるでしょうか。

1つには、「先を見越した漁獲対象種の変更や、養殖種・形態の変更」
という対策があります。

将来を見越して、
例えば、「トラフグ」を北海道でも養殖する。
しかし、そもそも北海道にはトラフグを食べる文化がなく、
フグの調理免許を持っている人も少ないなど、多くの課題があります。
食文化が根付くのには長い年月がかかるため、
とにかく先を見越して、「緩和」「適応」両輪で対策を打っていくことが
有効であると感じます。



テレビ朝日気象デスク 千種ゆり子

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