命つなぐ2週間…希少なライチョウひな、スクスクと[2021/07/16 08:47]

 絶滅の恐れがある二ホンライチョウの繁殖に取り組む那須どうぶつ王国で生まれたひながスクスクと育っています。

 お母さんの後を追ってヨチヨチと歩き回るのは栃木県にある那須どうぶつ王国で暮らす二ホンライチョウのひなです。

 那須どうぶつ王国では環境省などの取り組みである「ライチョウ保護増殖事業」に参加していて、今月1日、ひなが4羽ふ化しました。

 しかし、那須どうぶつ王国によりますと、ひなはふ化してから2週間が特に体調を崩しやすく、4羽のうち3羽は誕生から2週間経たないうちに相次いで死んでしまったということです。

 飼育員・橋本渚さん:「繁殖で一番大変なことは免疫力がかなり低い状態で生まれてきますので、普段は何でもないような菌にですら反応してしまうことも多い。ひながふ化して2週間以内に死ぬことが多くて、この2週間で菌への耐性も付けていくので防疫はしっかりとしていかなければいけない。親鳥も人に対してかなり警戒心を抱いたり、ひなを守るために逆にひなに対して攻撃的になる場合もあるので、この2週間は本当に大変な時期だと思う」

 ふ化から2週間が過ぎ、残った1羽のひなは母鳥とともに元気に暮らしています。

 飼育員・橋本渚さん:「今はすごく元気も良くて母鳥分のえさも食べてしまうほど食欲も旺盛で、よく動く姿が見られます。ふ化して2週間過ぎて元気な姿が見られるというのは本当に『ああ、よかった』と安心しきることはできないが、やっとほっと一息、うれしい気持ちですね」

 那須どうぶつ王国は母鳥がこのひなを育てる「育雛(いくすう)」を成功させるため、引き続き注意深く観察していくということです。

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