東京 過去最多3177人感染「切れるカードが…」高官[2021/07/28 17:35]

 28日、東京で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者は3177人となりました。過去最多となり、重症者は80人です。先週水曜日の21日と比べて1300人以上、増えています。重症者は27日から2人減っています。1都3県は感染者が過去最多の水準になっていることを受け、3県は政府に対して「緊急事態宣言」を要請する方向で調整を進めています。

 首都圏での感染が広がるなか、埼玉にある救急病院では4連休明けに「異変」が起きていました。

 28日は「土用の丑(うし)の日」。オリンピックも連日、盛り上がりを見せる一方で、緊急事態宣言への動きが加速しています。

 神奈川県・黒岩祐治知事:「国に対し、緊急事態宣言を求めるということであるならば『3県、並んでいきましょう』といったことを申し上げました」

 神奈川県の黒岩知事は埼玉、千葉と緊急事態宣言の要請に向け、国と調整を進めていると明らかにしました。

 もう、過去最多を更新した東京都だけの話ではありません。埼玉県は過去最多、神奈川県は約半年ぶりに700人を超えています。

 政府は慎重な姿勢を見せています。

 政府高官:「その前にやれることがある。神奈川は酒をやめたけど、やってないところもある。宣言を出すだけでは効果は見込めないので、ちゃんと対策が伴わないといけない」

 すでに宣言下にある東京。知事は繰り返しステイホームを呼び掛けるなど、手詰まり感は否めません。

 東京都・小池百合子知事:「不要不急の外出(自粛)を徹底して頂くこと。(家で)大いに声援を送って頂きたい」

 政府高官:「デパートを閉めるとかイベント無観客とかだけど、それが効果あるのかといえば、ない。切れるカードは、なくなってきている」

 都は、医療提供体制については第3波とは違うとしています。第3波のピーク時、4000床のうち3427床が埋まりましたが、現時点では50%を切っています。

 ただ、最前線の現場は異変を感じていました。

 28日朝、病院にはドライブスルー検査の渋滞が起きていました。

 ふじみの救急病院院長:「かなり混雑して、あふれかえっていますね。毎日700人以上の検査をして、100人以上の陽性者が出ている状況です」

 埼玉県にある救急病院。1人の女性が来院しました。

 PCR検査を受けに来た女性。その途中に具合が悪くなったといいます。結果、コロナは陽性。さらに軽い熱中症と診断されました。

 ふじみの救急病院・鹿野晃院長:「自転車操業で入院を受け入れて、ホテルもだいぶいっぱいで、2、3日待つこともざらにある」

 コロナ患者も受け入れるこの救急病院。19床あるベッドは、ほぼ満床が続いています。先週の4連休から増加が続いていました。

 この日、搬送されたのは熱中症の13歳の男性です。「コロナ」「ワクチン接種」に加えて「熱中症」も急増。さらに、通常の救急も受け入れています。

 コロナ患者のうち40代、50代が7割を占め、そのうち8割がインドで確認されたデルタ株です。

 陽性となった52歳の男性。入院は3週間に及び、人工呼吸器、一歩手前となりました。

 ふじみの救急病院・鹿野晃院長:「1600床体制で埼玉県、備えているが、2週間ほどでいっぱいになってしまうのではないか」

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