日航機墜落36年 遺族が事故描いた絵本を読み聞かせ[2021/08/08 19:01]

 520人が犠牲となった日航ジャンボ機の墜落事故からまもなく36年が経ちます。夫を亡くした女性は事故のことを描いた絵本を海外の子どもたちに読み聞かせました。世界で語り継いでほしいと願っています。

 谷口真知子さん(73):「パパ来たよ、久しぶり」

 谷口さんは今年も御巣鷹の尾根を登りました。

 夫の正勝さん(当時40)が亡くなった場所です。

 1985年8月12日、羽田空港から伊丹空港に向かっていた日本航空のジャンボ機が群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落し、乗客乗員520人が犠牲となりました。

 谷口真知子さん:「(事故後の36年間は)短かったような長かったような。息子たちもパパの年齢を超しましたのでやっぱり年月は感じますね」

 7年前、ここに来た孫がつぶやいた「生きているおじいちゃんに会いたかった」という言葉をきっかけに谷口さんは絵本を作りました。

 タイトルは「パパの柿の木」です。

 生前に夫が植えた柿の木が育つのを見て残された家族が悲しみから立ち直っていく姿が描かれています。

 谷口真知子さん:「孫とかに自分の思いとか亡くなったパパのこととか、それから父親を亡くして子どもたちがいかに頑張って生きてきたかを伝える人がいなくなるのは困るなと思って」

 去年には英訳版も出版されました。

 谷口さんは世界で語り継いでほしいという思いから、今回、初めて英語を使ってカナダの子どもたちに絵本の読み聞かせをする会をオンラインで開きました。

 谷口真知子さん:「(読み聞かせで)『感情入れて』とすごく言われていたので、その時のこと思い出したりとか、自分自身もウルウルきたり。こうやって少しずつ、この時代ですからオンラインとかでつなげて、他の地域、アメリカもカナダも英語圏に広がっていけばありがたいなと思っています。『今度はそれか』『今度は何するんだ』って主人は期待していると思うので、ちょっと頑張りたいなと思ってます。元気でやっているなって空の上から見て安心すると思いますので」

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