重症化防ぐネーザルハイフロー治療法とは 課題も [2021/08/11 12:06]

 新型コロナウイルスの感染者が連日1万人を超えるなか、中等症の患者を対象としたネーザルハイフローという治療法が広がっています。人工呼吸器よりも患者や医療現場の負担が軽く、期待が高まる一方で、課題もみられています。

 患者の鼻に管を差し込み、高濃度の加湿された酸素を大量に送る「ネーザルハイフロー」という治療法は、5月に厚生労働省が新型コロナの診療の手引きに加えました。

 日本大学板橋病院・權寧博副病院長:「高流量の酸素を吸うことで人工呼吸器を付けなければならない状況を回避する。人工呼吸器やICU(集中治療室)の病床、医療スタッフなど医療資源の枯渇を防ぐ。(装置を付けたまま)食事もとれるし生活の質を得られやすい」

 4月に感染したこの男性は肺炎で呼吸困難になっていましたが、装置を付けた後、3日程度で症状が改善しました。

 西端康孝さん(44):「一気に酸素が脳みそまで届く感覚。(装置を)付けた直後から体調が回復している感じがあった」

 重症化を防ぐ治療法として導入する医療機関が増えていますが、患者数の増加に追い付かない状況も生まれています。

 日本大学板橋病院・權寧博副病院長:「十数台フル稼働でさらに追加で購入しているが手に入りにくい状態」

 厚労省は医療機関に補助金を出すなど、確保に向けた支援をしています。

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